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【与信管理】与信と言われても何のことやらという人に贈る、法人の与信管理の基本を経理マンが語る【YouTube動画あり】

【与信管理】与信と言われても何のことやらという人に贈る、法人の与信管理の基本を経理マンが語る

【与信管理】与信と言われても何のことやらという人に贈る、法人の与信管理の基本を経理マンが語る

取引先の安定度を知る、当たり前のような話ですが、きちんと理解出来ていますか?

本日は経理でも関わりがなければ、意外ときちんと理解していない与信管理について語ります。

私はメーカーに新卒で入社して経理に配属になりましたが、サイトだとか与信管理については意味を分かっていませんでした。

そして商社の経理に転職して業務を通じて、ようやく意味を理解することとなりました。 

営業の方でも、営業は売掛金を回収するまでが仕事と言われることもあるかと思いますが、その言葉の意味についてもこの記事で理解出来ます!

実際に色んな会社の調査レポートを見てきた経理マンが、見るべきポイントについて解説します。

結論:まずは点数を見る

与信管理とは 

まずは与信管理について説明をしていきます。

与信とは信用を与えるという意味です。

そもそも与信管理は、売掛金の回収のための言葉です。

つまり、仕入先は考えず、自社の売り先からお金を回収するために考えるということです。

 

なぜ信用が必要なのかというと、BtoB(企業間取引、会社が会社に売る)だと商売が掛けで行われるのがほとんどだからです。

逆にBtoC(法人が消費者に売る)なら、与信管理が不要の場合もあります。

例えば、BtoCの八百屋のビジネスを考えてみましょう。

ほしい100円のりんごがあれば、現金と引換に手に入れることが出来ます。

あなたが八百屋の店主なら、誰がお客であっても同様です。

お使いに来た子供でも、日本語を理解していない外国の人でも、お金さえあれば、取引が完了します。

 

しかしBtoBでは、その場で現金のやり取りが行われることは少ないです。

原因はいくつかあり、例えば取引金額がかなり大きいことや、紛失や不正のリスクも出てくるでしょう。

したがって、大抵の企業には売った瞬間から、商品の回収までに期間があるということになります。 

これがサイト(債渡)と呼ばれるものです。

請求書などに、支払期限が記載されていて、この売った瞬間から回収するまでがサイトです。

請求書の基本についてはこちらの記事もあります。

www.finance-accounting-value.com

例えば、売上が10/1で、支払期限が12/31なら、サイトは90日となります。(10月、11月、12月の合計、30日と31日の区別は考えなくて良い)

 

このサイトが長いほど、回収できなくなるリスクが高まると言えます。

仮に90日のサイトだとして、90日後にその会社が倒産していない確率は100%ではありません。

取引先が、実はヤバい状況だったということもあり得ます。

そのサイトが180日ならより予測が難しくなります。 

ということで与信管理という、取引先がどのような会社で、これからどうなるかを見た上で取引金額を決めるのが与信管理です。

優秀な取引先なら取引の金額の上限は不要ですが、不安定な会社ならあまりにも多くの取引は回収出来ないリスクを考えようということです。

会社のビジネスモデルによっては、取引金額という概念がない場合もあります。

例えばサブスクリプションで、金額が均一なら上限という考え方も存在しません。

 

どうやって与信管理をする?

以前の記事の、危ない会社の特徴でも書いたように、与信管理の基本は調査会社のレポートです。

www.finance-accounting-value.com

 

日本の調査会社は帝国データバンク(通称TDB)と東京商工リサーチ(TSR)です。

調査会社を使うメリットは、多くの会社の情報を網羅しており、調べることが簡単です。

調査会社を使わずに、取引先に対し財務諸表(会社の成績)を下さいと依頼も出来ますが、それを貰って分析するという時間も必要になってしまいます。

 

調査会社のレポート(信用調査)

ここから、調査会社のレポート(信用調査と呼ばれます)にはどんなことが書いてあるのかを解説します。(TDBもTSRも内容は似ている)

まず調査レポート(信用調査)には、その該当の会社の点数が100点満点でついています。

100点に近いほど、安定性があり成長性もあります。

逆に、0点に近い会社とは取引を避ける方が無難というわけです。

※ただし、自社のデータについては調べることは出来ない仕様です。 

 

帝国データバンクの評点を例に、具体的な項目について説明します。

www.tdb.co.jp

評価については、業績・業歴等の「定量評価」と経営者等の「定性評価」を持って判断しているようです。

定量評価

  • 業歴:企業運営の継続性を評価。業歴が長いほど高得点
  • 資本構成:企業財務の安定性を評価
  • 規模:年売上高、従業員数など経営規模を評価
  • 損益:会社の損益を決算報告書などから客観的に評価。
  • 資金現況:調査時点での業況・収益・回収状況・支払状況・資金調達余力を評価

定性評価

  • 経営者:経営者を、個人の資産背景や経営経験、人物像などの要素から評価
  • 企業活力:調査員が、企業活力を人材・取引先・生産販売力・将来性の要素で評価

 

以上から点数をつけ、5段階で分けています。

信用程度

  • A(86~100点)
  • B(66~85点)
  • C(51~65点)
  • D(36~50点)
  • E(35点以下)

40点台の企業が多いようなので、C以上ならひとまず安心で、Dはやや注意、Eは要注意というところでしょう。

私も経理時代に信用調査レポートを見たことがありますが、 B以上はほとんど見ることがなかったです。

もちろん、自分の会社の規模が大きければ大きいほど、取引先を選ぶことが出来ます。

小さな会社であれば、藁にもすがる思いで売り先の安定度なんて見ていられないということもあるでしょう。

自社の点数は分かりませんが、もしも上記の7項目で考えたらどのくらいかというのは、面白い視点ではないでしょうか。

自社よりも点数が高い会社と思えるなら、取引を進めて上限の金額も不要なんて考えることも出来そうです。

 

こういったレポートに対して、何点だからどうこうという対策を考えるのは経理の仕事であることが多いです。

営業の方もレポートを見る機会があるかもしれませんが、その際はまずは点数がどうかだけ見ることをオススメします。

点数が極端に低い(40点以下)であれば、少し注意を持ってその会社に行く際には、色んな点を観察してみると発見があるでしょう。

 

いつ、信用調査をするの?

信用調査をする一番のタイミングは取引前です。

つまり、新規の取引先が出来そうというタイミングで調べるということです。

社内規定などで決められている場合も多いですが、経理がGOサインを出さないと取引が出来ない場合もあります。

 

そして少し危ない会社であれば、取引金額の上限を決めておくということです。

さらに危ない会社なら、継続的にレポートで調べる必要があります。

調査は一地点でのものに過ぎないので、最新のデータが少なくとも1年に1回は更新されます。

それを見て、上限金額も変動させるという仕組みが大切です。

ちなみに、その決算を隠すようになった会社には要注意です。

 

こんな取引先なら不要!

最後にこんな取引先なら、調査は不要という会社を紹介します。

まず、仕入先などの自社が費用を支払う取引先です。

お金を支払うだけなので、回収出来ないリスクがそもそもなく、調査をするお金が無駄になります。

 

次に上場会社の100%子会社です。

上場会社はかなり倒産のリスクが小さいと言えます。(Nutsやレナウンのような例外もあるにはあるが、レアケース)

www.finance-accounting-value.com

 

上場会社の子会社というのは、その上場会社(親会社)の決定が全てです。

戦略的に子会社を赤字にしていることすらあるので、その子会社の数字を見てもあまり意味がありません。

親会社の数字なら、上場しているので財務諸表は公開されており、心配ならその財務諸表を確認してもいいでしょう。

 

最後に市役所や公立大学などの公的な法人です。

私立大学なら経営が悪化して、潰れるというリスクがあるので調べてもいいでしょうが、公的な法人なら調査は不要です。

 

まとめ

本日は法人の与信管理について語りました。

これだけ知っていれば、営業マンとして心強いと思います。

個人の信用調査についても、上記の7つの分析ポイントで見ると、判断が出来そうです。

年収だったり、一度でも遅延があるかどうかなど、個人が大きくなったものが法人なので共通点もたくさんあります。

抽象化すると、新たな視点が見つかります。

 


売掛金完全回収 実務と与信ルール<得意先の日常管理からいざというときの対処法まで>

 

動画版はこちらです。(今回からVrewを使ったら字幕やカットが非常に楽でした)

youtu.be

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。