怠惰な経理マンの日常(MCバトル結果まとめ他)

アラサー起業した経理マンの日常をつらつらと(※本サイトにはプロモーションを含みます。)

経理マンが考える、消費税増税の対応ポイント

経理マンが考える、消費税増税の対応ポイント

経理マンが考える、消費税増税の対応ポイント

いよいよ、今年の10月から消費税の増税と軽減税率制度が始まります。そのポイントをしがない経理マンが紹介します。

 一応、消費税増税の延期の可能性もない訳ではありませんが、流石に今回はほぼ決定と考えていいでしょう。

前回の消費税の増税は2014年4月で、5%から8%へと増税されました。

今回の増税は前回の増税とは異なる部分が多いです。

本日の記事では、その違いと対応のポイントについて記載していきます。

 

もしかすると、消費税が増税されると企業のPL(損益計算書)が悪くなると考えてしまうかもしれません。

実は、消費税そのものはPLには影響を及ぼしません。

企業のPLは、税抜きか税込みどちらかを選択することになっています。

そして、ほとんどの企業が税抜きで表示しています。

例えば、100万円の売上があった時、PL上の売上は100万円で、相手先から回収するお金は税込の108万円となります。

 

もちろん、消費税が増えることで資金繰りには影響が出るので、PLに全く影響がないかというとそれは否定できませんが、消費税の増税そのものはPLには影響がありません。

①新しい税率10%が必要である

当たり前ですが、10月1日以降の取引のために10%のマスタ等を用意する必要があります。

消費税のマスタとしては、5%、8%、10%の3種類になります。

5%を使用するケースは、リースなどで契約が2014年の増税前のものに適用されるケースのためで、そのために残しておく必要があるのです。

この新しい10%のマスタの追加については、前回同様の対応でいいので、これはそんなに問題とはならないかもしれません。

②軽減税率8%の対応

今回、一番厄介なのは軽減税率の対応でしょう。

下記は国税局の説明資料です。

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/0018006-112.pdf

もちろん、消費者としては、テイクアウトやスーパーでの飲食料品の消費税が10%ではなく8%で済むので、大きなメリットとなります。

会社として、対応が大変なのはスーパーなどの小売業界です。

酒類は10%、おつまみは8%と、税率が異なる商品を扱うため、管理の手間が間違いなく増えます。

 

個人的には、消費税の概念をきちんと理解していなかったので、勉強になりました。

外食の場合は10%が適用される訳ですが、それは外食が食品だけを提供するのではないからです。

国税局の説明資料には、下記のように書かれています。

外食とは飲食店営業等、食事の提供を行う事業者が、テーブル・椅子等の飲食に用いられる設備がある場所において、飲食料品を飲食させる役務の提供

 

あくまでも自分の会社が軽減税率の売りがある場合は複雑ですが、どちらかと言うと逆のパターンが多いのかなと思います。

 

例えば、社員の経費の精算等で、経理担当がスーパーの領収書を確認し、それを8%、10%に分けるという作業が増える可能性があります。

支払側に立つと、基本的には相手の請求書に記載されている通りに消費税を処理しますので、これは受動的な対応となります。

8%・10%が混在する可能性があると覚えておけば、対応はそれほど難しくはないでしょう。

③スタートが10月1日と期の途中である

前回の増税は4月スタートでした。

日本の企業は3月決算が多いので、多くの会社で新しい期から消費税も変わるという形でした。

今回は9月決算の会社にとっては、キリがいいタイミングと言えそうです。

こればかりは、決算期を変えない限り、年度で8%・10%が混在することを避けられません。

 

前回の増税でもあったように、駆け込み需要が今回も発生すると思われます。

例えば、9/30に税抜き200万円の時計を買うと、消費税は16万円ですが、

10/1に同じものを買うと、消費税は20万円となってしまいます。

必要なものは、先に買った方が経済的なのは言うまでもありません。

会社としても、消費税増税影響で売上が悪化したという言葉がよく出てくることになってしまうかもしれません。

 

まとめ

以上は、消費税増税のポイントです。

10%のマスタ・軽減税率・期の途中の3つとなります。

増税によって不景気になるというのも良く言われています。

食品関係については8%据え置きなので、これがどう作用するかというのが、気になるところです。

9月には間違いなく、増税前の駆け込み需要があるでしょうから、そこでどれだけ盛り上がるかというのもチェックポイントとなりそうです。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。