社会人にはフェアな議論なんてない、と思っている経理マンが社会人の議論について語ります。
就活や研修では、グループワークやグループディスカッションという時間があります。
同じような立場(例えば、就活であればほとんど年齢の変わらない就活生)の人間が、ひとつのテーマに対して、平等な立場で意見を述べ、結論を出すという構造です。
このグループディスカッション(GD)の得意な人には2種類いると思っていて、「GDだけが上手い人」と「人の考えをまとめ、空気を読むのが上手い人」に分けられるのではと思います。
GDだけが上手い人にとって、会社での議論は不満がたまるのではないかと思い、今回はこの記事を書いてみます。
つまり、会社での議論は就活でのGDとは全然違うものなので、その違いを理解しておこうという話です。
もちろん、分かっている人には釈迦に説法という話ですが。
①立場がある
大きな違いは、それぞれの立場(ポジション)があるということです。
GDでは全員がほぼ初対面で、相手のことなんて知りません。
だからこそ、自由に発言ができるし、遠慮もいりません。
それに対して会社では、それぞれの立場があります。
経営の会議では、社長が一番偉くて、役員がその次、各部の部長が一番下の立場ということがあります。
この場合、部長の意見が通るかどうかは、社長の意向にかかっていると言ってもよいかもしれません。
結局のところ、経営の責任を持つのは社長だから、社長が納得しなければ意味がないということでしょう。
部門の会議なら、平社員が一番立場が弱いですが、それでも意見は発信しましょう。
発言がない人間が一番役に立たないので、思ったことは言うべきです。
②モチベーション(お金)が絡む
立場と似ていますが、会社でのポジションは給与や賞与に反映されます。
誰だって自分の給与が下がるような提案を、自分からはしないはずです。
メーカーなら、営業部門と技術部門が対立することも多々あるでしょう。
営業は、「売れないのは、技術力がないからだ」と主張し、
技術は、「売れないのは、営業力が悪い」と主張します。
つまり、自分の昇進やボーナスのために、それぞれが戦っているのです。
会社で稼ぐお金によって生活が成り立つ訳なので、もちろん必死に負けないように戦いますよね。
就活とか研修で、死ぬ気でGDやりますか?と訊かれれば、多分NOですよね。
そして、会議などの議論の参加者は年齢も違います。
定年が近い人のモチベーションと、これから何年も働く若手のモチベーションも全く違います。
③その違いを踏まえて
上記の立場やモチベーションの違いを踏まえて、どう議論に関わっていくのが良いのでしょうか。
まずは議論の時には、相手の立場を考えることから始めましょう。
ほとんどの選択には、誰かにとってはいいけど、誰かにとっては不都合があるのが普通です。
大切なのは、会社視点での提案なのかもしれません。
自分や自分の部門に都合がいいだけでは、誰も賛同してくれません。
それぞれの立場に立ったメリットの提案が、できるかどうかが大事だと思います。
一般的に、年をとるたびに考えは凝り固まってしまいます。
自分自身も反省しなければいけませんが、思い込みの力は強力です。
どこを見て仕事をしているんだろう?と、思ってしまうような人もいるかもしれません。
ただし、最初から議論を諦めてはいけないと思います。
まとめ
以上が、社会人の議論に関する考え方です。
話はずれますが、私も大学時代にディベートをやったことがあります。
ディベートも相手の立場に立って、考える練習にはなります。
社会人の議論とはまた別だとは思いますが。
社会人になって議論を経験すると、人を動かすってほんとに難しいなと実感します。
もちろん、それぞれに守らなければいけないものがあります。
働き方改革で、結果ありきの議論がなくなることを望みます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。