カルロス・ゴーンは特殊ケースだと思う経理マンです。
去年の年末にレバノンに逃亡した元日産自動車CEOのカルロス・ゴーン氏。
今回の騒動について、日本から出国されてしまったことに対する批判も見られます。
もちろん、その事自体には、反省をしなければならない部分もあるのでしょうが、果たして似たような事件が今後起こるのかということを考えるべきとも思います。
今回はカルロス・ゴーン氏の動きとその後について語ります。
結論:同じようなことが起きる可能性を考えて、対策は考えるべき
カルロス・ゴーンとは
恐らく、日本で最も有名なレバノン人ではないでしょうか。
生まれはブラジル。
ビジネスキャリアとしては、下記のような感じです。
1978年:タイヤメーカーのミシュランに入社
1981年:わずか3年のキャリアでル・ピュイ工場の工場長に
1985年:ミシュランの南米事業の最高執行責任者(COO)
1990年:35歳でミシュランの北米事業部の社長兼最高経営責任者(CEO)
1996年:ルノー入社
2001年:ルノーと日産の間で資本提携が行われたことがきっかけで、日産の最高経営責任者(CEO)
以後、コストカッターとして、日産自動車の収益に貢献。
しかし、2018年11月には、東京地検特捜部により金融商品取引法違反容疑で代表取締役グレッグ・ケリーとともに逮捕されています。
結果として、日産自動車の西川廣人社長も、社長から退任し、日産自動車は正に変革が求められています。
結局のところ、カルロス・ゴーン氏が起こしたとされる問題は、
役員報酬を過小に受け取っていたように見せかけること
自身の個人で負担すべき費用を、日産自動車の費用として計上していた
ということであり、結局はお金が要因ということなのでしょう。
そして、今回の年末のプライベートジェットでトルコに向かい、トルコからレバノンへの逃亡したという流れです。
日産としては、ゴーン氏への損害賠償などの手続きは継続するとしています。
本来、出国することは出来なかったはずなのに、プライベートジェットで楽器用のケースに隠れたため、発見はできなかったということのようです。
もちろん、この部分の出国の際の管理は強化されるべきなのでしょうが、似たような事件が起こりうるかというと可能性は低いように思います。
影響力という点では、かなり大きいのでしょうが、現状国外に逃亡されてしまったことは仕方がありません。
個人的には、日産自動車の一連の問題は企業のコンプライアンスの見直しにつながると考えます。
本来、会社の費用にすべきでなかったものを、CEOという立場を利用して不正に利益を得ていたということが、日産自動車の従業員からしても信じられない裏切りでしょう。
また、従業員だけでなく、株主やユーザー、取引先など数多くのステークホルダーに対しても信頼を損ねる結果となっています。
そういった不正を監視することが出来ていない会社というのは、今後生き残っていくのが難しくなるでしょう。
こういう時こそ、不正が起こらない仕組みというのが強いと思います。
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問題というのは起きた後が重要で、まずはそれが起きない仕組みを考えるべきです。
当然、もう二度と起こらないと予想されることなら、それは必要ありません。
問題が起きた原因の追求というのは、次にまた同じ問題を起こさないというテーマがあってこそだと思います。
ゴーン氏の会見も少し見ましたが、なんだかなぁという感想でした。
自らが正しいという主張はしてもいいでしょうが、耳を傾ける人は減るのかなとも感じました。
お金が人を狂わせるというのは、世の常なのかもしれませんが、やはり執着しすぎるということには気をつけなければということかもしれません。
「名経営者」はどこで間違ったのか -ゴーンと日産、20年の光と影
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