問題解決に必要なのは、マナーやモラルではないという話です。
何か嫌なことがあったとかではなく、シンプルに思いついたことを書いていきます。
この考え方は、構造化思考にも似ていると思います。
つまり、何かをした人が悪いのではなく、仕組みが悪いという考え方です。
過去にもブログで書いています。(その記事は内容が薄かったので、ここで紹介はしません)
記事の最後にYouTube動画もあります。
結論:解釈ではなく、ルールや事実で解決すべき
問題解決のために必要なこと
警察だったりが、マナー向上週間(キャンペーン)なんていうものを開催していることがあります。
もちろん、この動きを完全に否定するわけではありません。
しかし、このような取り組みの効果を正確に測ることは難しいと思います。
個人のマナーが悪いから、それを向上させることにより、少しは課題が少なくなるのかもしれません。
この啓蒙活動だけで、問題がゼロになることはないでしょう。
マナーやモラルに頼るな
問題解決のために、マナーやモラルを当てにしてはいけない理由は、個人によって解釈が変わってしまうからです。
ある人によっては良いマナーでも、別の人にとってはそれをされても嬉しくないということがあり得ます。
同じように、ある人はタバコのポイ捨てを悪いことだとは認識していても、それを止めることが出来ないことがあるでしょう。
似たような言葉として思いやりもあります。
困っている人に手を差し伸べるのが思いやりと考える人もいるでしょうし、黙って見守ることが思いやりと考える人もいるかもしれません。
絶対的な正解はありません。
本人が思いやりと思って行動したとしても、それを受け取る側がどう考えるかは別の問題です。
これも個人によって解釈や定義が異なる言葉だからこそ、発生する齟齬と言えます。
ルールを守らない人に対する怒り
ここでは強制力があまり強くないルールについて考えてみます。
例えば、ゴミのポイ捨てはやめましょうというルールです。
このルールを守る人は、もしも守らない人がいれば、怒りを覚えることもあるでしょう。
なぜルールを守らないのかという苛立ちです。
守らない人の心理はどうでしょうか。
「ゴミを捨てても、何か罰があるわけでもないし、捨てるか」とか、「自分以外にも捨ててる人がいるからいいか」など理由はあるでしょう。
この理由の考察については、次の段落でまとめます。
ではどうする?
例えば、シンガポールではゴミを捨てたら罰金という仕組みがあります。
これはマナーやモラルに頼らず、仕組みで解決しようとした結果です。
恐らく、罰金を支払いたくないのでゴミを捨てないのです。
どうしてもポイ捨てしたければ、お金を払うことになります。
日本では煽り運転が問題になっています。
恐らく以下の2点の要素で、少なくなっていくと予想します。
- ドライブレコーダーを搭載する車が増加
- 煽り運転に対する罰則が強化
端的に言うと、個人が特定されることと、罰則という仕組みによって、問題が解決に進むということです。
中国の例では、監視カメラが犯罪や迷惑行為を減らしたということです。
www.finance-accounting-value.com
何が重要なのか
これまでの例から考えると、以下の要素が問題解決(主に迷惑行為)に役立つと思われます。
- 適切な罰がある
- 個人が特定される
もしも罰が軽すぎるなら、それを破ってでもその行為をするという要因になってしまいます。
適切な罰があったとしても、その行為を行った人間が特定出来なければ意味がありません。
当然ながら、罰があるということは、どの行為が罰になるのかという定義があることになります。
マナーやモラルの理解の際にも、どの行為が迷惑行為なのかを伝えるという作業があります。
まずは行為を定義することが大事なのでしょう。
しかし感情で判断したいのが、人間の脳のネイチャー
理屈で考えれば、簡単なようにも思えます。
ポイ捨てをすれば街が汚れるわけだし、ゴミはゴミ箱へというのは当たり前です。
しかし、人間は感情で動いてしまうのです。
理屈では理解していても、感情で動いてルールを破ってしまう。(もちろん、理屈を理解していないケースもあるでしょう)
これは人間の脳の性質なのです。
その人の脳が悪いわけではなく、それを可能にしている仕組みが悪いということです。
SNSの誹謗中傷も匿名のアカウントによるものです。
自分が悪口を言っている人に、直接会って同じことが言える人はほとんどいないでしょう。
まずは、それが出来ない仕組みを作るために動くべきだと思います。
そしてそのようなネガティブな言葉から、なるべく離れることが一番だと思います。(当然、運営者などに通報・報告するということも大事です。)
ルールを守らない人に怒りを向けるのではなく、有効な仕組みを考えることに注力すべきなのです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。