会社の大きさのものさし、教えます。
ブログの記事や動画などで、会社の規模が大きいということを話しているのですが、その基準ってなんだろう?とふと思いました。
本日は、会社が大きいか小さいかを判断する基準を紹介します。
これを使えば、会社間の比較が用意になります。
指標毎の特徴も紹介しています。
2020年のデータですが、来年でも使えるものとなっています。
どんな指標を使って、会社を比較すれば良いかが分かります。
結論:4つのものさしで確認、非上場なら質問せよ
どんな時に比較する?
例えば、私は新卒で就活している時に、苦労していました。
結果、ようやく内定を2社から貰いました。
その時の判断基準は、会社が大きい方を選ぼうというものでした。(社風って、結局何回かの面接ではよく分かりませんでした。)
一方は上場企業で売上や利益が公開されており、もう一方は非上場だったので売上と従業員数ぐらいがリクナビなどに掲載されていました。
そこで上場企業で、売上も大きい会社を選びました。
その結果、たまたま経理マンとなって今に至るわけです。
つまり、就職や転職などで会社間を比較する際に使用することが可能です。
ものさし①売上
まずは王道とも言える売上です。
では、50億円の売上って大きいのでしょうか、それとも小さいでしょうか。
例えば、商社であれば、ビジネスモデルとして薄利多売なので、単純にメーカーなどと比較すれば、売上は大きくなる傾向があります。(商社なら売上50億は小さいというようにも言える)
売上のものさしで見る場合は、業種によってバラツキが出るということは始めに理解しておくべきです。
上場企業の年間の売上はどれくらいかを紹介します。
ナンバーワンはトヨタ自動車の29超円、最下位(3,789位)としてはマザーズのブライトパス・バイオの1,100万円です。
では、区切りのいい順位の売上がどれくらいかを見てみます。(Yahoo!ファイナンスで確認)
※決算毎に都度(ほぼ毎日)ランキングが変わるので、参考程度に
3,500位:リンクバル(27億円)
3,000位:ムラキ(71億円)
2,500位:NCホールディングス(139億円)
2,000位:ハイパー(251億円)
1,894位:イワキ(286億円)
1,500位:あじかん(448億円)
1,000位:日本車輌製造(946億円)
500位:ショーワ(2,604億円)
400位:ライオン(3,475億円)
300位:サッポロホールディングス(4,919億円)
200位:三井E&Sホールディングス(7,865億円)
100位:ヤマハ発動機(1兆6,648億円)
上場企業に限定すれば、中間が286億円なので、300億円以上なら十分に大きいでしょう。
100億円を超えているだけでも、大きいと言ってもいいでしょう。
繰り返しになりますが、売上だけでは判断が出来ないので、あくまでも傾向を掴む程度にしておきましょう。
次は、利益です。
ものさし②当期純利益
売上だけで不十分なら、当期純利益を見ましょう。
利益としては営業利益や経常利益、当期純利益など複数あります。
ここでは、最終的な利益の当期純利益を紹介します。
当期純利益は企業の実力が分かると言える一方で、特殊要因も含まれる数値とはなります。
例えば、今年はコロナ不況とも言えるでしょうから、不採算事業を廃止したり、希望退職を募る会社もあります。
そういった会社は利益が少なくなるということです。(そういった影響をある程度排除したいなら、営業利益でもいいです)
つまり、何年かの推移で見ると確実です。(3年続けて赤字ならダメだよねという話)
商社は売上は大きいですが、利益率は高くはありません。
この利益で見れば、稼いでいる会社とそうでない会社が分かるというわけです。
先程、同様に当期純利益のナンバーワンはトヨタで2兆円です。
ワーストは、ある意味で意外なソフトバンクグループの△9,616億円(赤字)です。
ここでも区切りのいい順位だけ紹介します。
3,500位:きちりホールディングス(△6億円)
3,000位:ITbookホールディングス(8,300万円)
2,500位:互応化学工業(3.2億円)
2,000位:中央魚類(6.8億円)
1,894位:ティア(7.9億円)
1,500位:EMシステムズ(13.9億円)
1,000位:エイジス(30億円)
500位:フクダ電子(96億円)
400位:十六銀行(129億円)
300位:沢井製薬(193億円)
200位:富士電機(288億円)
100位:T&Dホールディングス(671億円)
真ん中は約8億円です。
感覚的には1億円利益(税引き後)が残る時点で、十分にすごいし大きい会社だと思います。
ものさし③従業員数(連結)
次にものさしは人の多さです。
ちなみに連結と単体がありますが、単体を見る意味はあまりありません。
企業の成績は連結で公表されるので、とりあえず連結でいいでしょう。
ここでも業種による違いがあります。
例えば、メーカーなどは工場を持っているので、比較的大所帯になりやすいでしょう。
従業員と売上や利益を組み合わせて、一人あたりの売上や利益という観点で見ても面白いでしょう。
1位はトヨタの36万人です。
最も少ないのは、なんとエスポアの5名です。(3,216位、連結なので該当が少なくなっている)
昔9人で驚いていましたが、それより少ないケースもあったんですね。
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ここでも区切りのいい順位だけ紹介します。
3,000位:丸八倉庫(111名)
2,500位:ギガプライズ(290名)
2,000位:明治海運(591名)
1,608位:ニチレキ(917名)
1,500位:アルゴグラフィックス(1,045名)
1,000位:三洋化成工業(2,107名)
500位:平和堂(5,665名)
400位:OSG(7,328名)
300位:グローリー(10,645名)
200位:九州旅客鉄道(17,450名)
100位:日本郵船(34,448名)
真ん中が920名なので、1,000名以上なら大きいとしていいでしょう。
ものさし④総資産
これは時価総額の説明でも出てきた指標です。
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ざっくり説明するなら、会社のマックスの体力のようなもので、マックスは大きいけどその中身は借入などの負債として大きいことがあります。
これも業種によって特徴があり、金融系がデカくなるということでした。
1位はトヨタではなく三菱UFJフィナンシャル・グループの337兆円です。
ワーストはソフトフロントホールディングスの3.4億円です。(3,790位)
区切りのいい順位だけ紹介します。
3,500位:セキド(29億円)
3,000位:アイケイ(74億円)
2,500位:やまみ(150億円)
2,000位:TAKARA&COMPANY(265億円)
1,894位:ジオスター(301億円)
1,500位:カーリットホールディングス(489億円)
1,000位:シンフォニアテクノロジー(1,038億円)
500位:SCREENホールディングス(3,480億円)
400位:日本水産(4,915億円)
300位:ユニ・チャーム(8,640億円)
200位:野村不動産ホールディングス(1.8兆円)
100位:東北電力(4.3兆円)
真ん中が300億円、これを大きさの基準にしましょう。
指標のまとめ
売上なら300億円以上、当期純利益は8億円以上、連結従業員は1,000名以上、総資産は300億円以上となります。
もちろん、これを満たす会社を探すことに意味はありません。
比較したい会社がどれくらいなのかを判断する材料に過ぎません。
そして、完全な指標は存在しないので、自分がどのような観点で比較がしたいかを明確にしましょう。
個人的な優先度を付けるなら、下記のイメージです。
当期純利益>従業員=総資産>売上
これは年収の高い会社を目指そうと思った場合、と言ってもいいかもしれません。
あくまでも利益を稼いでいる会社でないと、高い給与は実現しにくいでしょう。
このように目的を決めれば、自ずと方法が限られるのです。
非上場ならどうする?
上場企業であれば、これまでに紹介した4つの指標を簡単に拾うことが出来て、比較が容易です。
しかし、非上場の会社なら、売上と従業員数ぐらいしか最大で公開していないでしょう。
公開しなくても何の問題もありません。
しかも採用面接の際に、質問しても答えてくれない可能性もあるでしょう。
多分、総資産とか、当期純利益を人事担当は正確な数値を知らない可能性が高いです。
それでも、本当に比較したい会社があるなら、メールなどで質問するべきでしょう。
そして、その数値を公開しようとしない会社や、その公開しない理由がはっきりと答えない会社というのは、あまり選ぶべきではないのかもしれません。
なぜなら、決算をすれば必ず出てくる値なので、基本的には回答が出来るからです。(非公開の理由があって、それで納得出来る答えならそれで構わないと思います)
まとめ
- 就職や転職などの際の企業間の比較に利用出来る
- 売上なら300億円以上、当期純利益は8億円以上、連結従業員は1,000名以上、総資産は300億円以上
- あくまでも目安なので、目的に合わせて手段は考える
- 非上場なら公開はされていないが、質問してみることをオススメ
- 公開しないまたは、理由が納得出来ないならその会社の優先度は下げても良い
今思うと、4つの指標を全然調べずに面接を受けた会社が多かったなと反省します。
転職活動時ですら、あまり研究していない会社もあり、是非読者の皆さんにはマスターして頂きたいです。
非上場ならこのサイトで官報を見てみるのもオススメです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。