化学業界でエントリーすべき会社とは?
本日は、自分が大学生に今戻るなら、この化学(素材)メーカーにエントリーするという話です。
完全に就活生向けのコンテンツです。
化学業界に興味があるけど、どの会社が優秀なのか分からないという方も多いでしょう。
自分も就活時は、どうやって会社を決めればいいのかが分かりませんでした。
今なら経理の仕事や株式投資などの経験で、会社の見方を知っているので、当時とは違った見方が出来るはずです。
今回は情報を手に入れやすい上場会社の化学メーカーに限定して、紹介します。
単純な化学という分類だと上場会社は210社ほどありますが、その中で絞り込んだ優秀な会社を発表します。
是非、最後までご覧下さい。
結論:当期純利益率・平均勤続年数・給与で47社を選ぶ
2ちゃんねるの偏差値ランキングで知る
化学業界はBtoBがメインなので、会社を知るのに苦労します。
例えば、倉庫・運輸業で検索すると上場会社は39社しかありません。
もちろん、リクナビやマイナビで化学と限定すればたくさん会社がリストアップされます。
そこからどの会社が良いのか、絞り込むのが大変です。
さらに一口に化学と言っても、化粧品メーカーのようなBtoCの会社も存在します。
私が様々な化学メーカーを知ったのは、2ちゃんねるでした。
化学業界の就職偏差値ランキングというものがあり、これを見て会社を知りました。
最新版はないようで、19年卒用のものがあったので、これを参考にします。
66:信越化学 三菱ケミカルHD DowDuPont
―――――横綱級ケミカル―――――――
65:住友化学 東レ 富士フイルムHD 3M
―――――大関級ケミカル―――――――
64:旭化成 三井化学 日東電工 BASF
―――――関脇級ケミカル―――――――
63:積水化学 東ソー 帝人 DIC JSR
62:三菱ガス化学 クラレ 日立化成 大陽日酸 宇部興産
―――――小結級ケミカル―――――――
61:昭和電工 カネカ 日本触媒 日本ゼオン
日産化学 日本ペイント ダイセル
60:エア・ウォーター ADEKA デンカ 関西ペイント
高砂香料 日本化薬 日清紡
59:長谷川香料 日本エアリキード 東洋インキSCHD
東京応化 東洋紡
―――――前頭級ケミカル―――――――
58:クレハ 大日精化 日本曹達 住友ベークライト
東亞合成 日油 日本合成化学 トクヤマ
57:三洋化成 コニシ サカタインクス 新日鐵化学
JNC セントラル硝子 JSP
56:アイカ 石原産業 堺化学 住友精化
本州化学 積水化成品 タキロンシーアイ
―――――十両級ケミカル―――――――
JCU 大阪有機化学 第一稀元素化学 上村工業 日本農薬 関東電化
四国化成 KHネオケム 群栄化学 クミアイ化学 デクセリアルズ
荒川化学 太陽HD 信越ポリマー 藤倉化成 第一工業製薬
日本化成 エフピコ 大阪ソーダ 日亜化学 大塚化学 ユニチカ
―――――幕下級ケミカル―――――――
日東紡 未来工業 日本化学工業 ニチバン 北興化学 テイカ
扶桑化学 ハリマ化成G 藤森工業 日本カーリット 積水樹脂
保土谷化学 大日本塗料 エスケー化研 リケンテクノス
関西熱化学 片倉コープアグリ 東洋合成 日本カーバイド
旭有機材 日東エフシー クラボウ
ここから外資や非上場の会社を除き、上場会社の売上100億円以上かつ化粧品や産業材料など化学ぽくない会社以外を加え、127社を見ました。(上記のリストは106社)
この127社を優秀なグループとそうでないグループに分けます。
新卒の就活でのエントリー数の平均である50社程度まで絞り込み、その中で3つのグループに分けます。
三つ星、二つ星、一つ星です。
※全127社の売上順のリストはこの記事の一番下に掲載しています。
大事な要素
今回の優良な会社を分ける基準はたった3つです。
自分が大学生で就活するという前提なので、利益が稼げる会社・平均勤続年数が長い・平均給与が高いそれだけです。
利益が稼げる定義は直近の決算での、当期純利益率を使います。
もちろん、クラレのように直近だけ赤字になっている会社もありますが、平均勤続年数が長く、給与も高ければランクイン出来る仕組みです。
この3つは数字が高くて困ることはない指標なので、シンプルですがこうやって計算します。
数字は有報から抜粋したものとなります。
総合ランキング
127社の数字を調べ、総合ランキングを計算します。
ちなみにHD(ホールディングス)の会社は勤続年数と給与が実際の平均よりも高くなりますが、この影響は排除出来ないので、そのままの数値を使います。
当期純利益率
一番高いのは信越化学の20.3%という異常なほどの高さです。
平均を取ると5.2%となりました。
5%以上~8%未満の会社39社に1ポイント、8%以上の会社22社に2ポイントを加算します。
平均勤続年数
トップはホワイト企業として有名な未来工業の22.3年でした。
平均は16.5年です。
16年以上~18年未満の会社41社に1ポイント、18年以上の会社27社に2ポイントです。
平均給与
トップは三菱ケミカルHDの1,166万円でした。
平均を取ると、695万円となりました。
700万円以上~750万円未満の27社に1ポイント、750万円以上の29社に2ポイントです。
これでランキングを作成し、総合ポイントが6または5ポイントの会社が三つ星、4ポイントなら二つ星、3ポイントなら一つ星となります。
三つ星の会社(6社)
- 信越化学工業
- 日油
- 昭和電工
- クレハ
- 東京応化工業
- 本州化学工業
意外にも売上213億で東証二部の本州化学工業が、三つ星にランクイン。
注目度は恐らく低く、狙い目と言えるかもしれません。
ちなみに同ランクの会社は当期純利益額が大きい順にしています。
信越と日油のみ6ポイント。
二つ星の会社(13社)
- 富士フイルムHD
- 三菱ケミカルHD
- 日産化学
- トクヤマ
- 関西ペイント
- 日本パーカライジング
- 住友ベークライト
- 関東電化工業
- JCU
- 長谷川香料
- テイカ
- 大阪有機化学工業
- 日清紡HD
以前取り上げたJCUもここにランクインしています。
一つ星の会社(28社)
- 積水化学工業
- 東ソー
- 三井化学
- 日本ペイントHD
- 帝人
- DIC
- デンカ
- 三菱ガス化学
- 日本ゼオン
- カネカ
- タキロンシーアイ
- 日本触媒
- 東亞合成
- 積水樹脂
- 信越ポリマー
- 日東紡績
- 上村工業
- 大日精化
- 太陽HD
- 高砂香料工業
- 旭有機材
- 北興化学工業
- 未来工業
- 日本化学産業
- 日本化学工業
- 広栄化学
- 日本高純度化学
- 東京インキ
化学業界では有名な会社もあれば、名前を聞いたことのないという会社もあるでしょう。
利益率や働きやすさという点に注目すると、これらの会社が強みを持っています。
当期純利益率
ここから個別のランキングを上位だけ紹介します。
これだけ見て、選ぶというやり方もあります。
まずは当期純利益率です。
ここでは2ポイント扱いの、当期純利益率8%以上の会社22社を紹介します。
1位:信越化学工業:20.3%
2位:JCU:19.7%
3位:扶桑化学工業:16.9%
4位:日産化学:14.9%
5位:松本油脂製薬:12.4%
6位:日油:11.7%
7位:メック:11.0%
8位:四国化成工業:10.9%
9位:積水樹脂:10.6%
10位:大阪有機化学工業:10.5%
11位:上村工業:10.3%
12位:エス・ディー・エス
バイオテック:9.7%
13位:クレハ:9.6%
14位:タキロンシーアイ:9.4%
15位:関東電化工業:9.3%
16位:日本化学産業:9.3%
17位:第一稀元素化学工業:8.7%
18位:広栄化学:8.6%
19位:テイカ:8.4%
20位:長谷川香料:8.1%
21位:昭和電工:8.1%
22位:本州化学工業:8.0%
東証一部ではない会社も何社かランクインしており、松本油脂製薬、上村工業、エス・ディー・エス バイオテック、広栄化学など、過去の分析では見れなかった会社も多かったです。
平均勤続年数
平均勤続年数が19年以上の27社です。
1位:未来工業:22.3年
2位:住友ベークライト:22.2年
3位:東京インキ:22.2年
4位:日清紡HD:21.5年
5位:東亞合成:21.4年
6位:ヤスハラケミカル:21.1年
7位:石原産業:20.5年
8位:日本曹達:20.5年
9位:信越ポリマー:20.4年
10位:東京応化工業:20.3年
11位:信越化学:20.2年
12位:クレハ:20.1年
13位:旭有機材:20年
14位:テイカ:19.9年
15位:ダイトーケミックス:19.7年
16位:日東紡績:19.6年
17位:北興化学工業:19.6年
18位:三菱ケミカルHD:19.4年
19位:帝人:19.4年
20位:片倉コープアグリ:19.4年
21位:関西ペイント:19.3年
22位:日本カーバイド工業:19.3年
23位:日本化学工業:19.2年
24位:トクヤマ:19.12年
25位:丸尾カルシウム:19.1年
26位:日油:19年
27位:デクセリアルズ:19年
単純に会社の規模が大きいからと言って、勤続年数が長いとは限りません。
勤続年数にはその会社の働きやすさが間違いなく出ます。
平均給与
最後に平均給与が750万円以上の化学メーカー29社です。
1位:三菱ケミカルHD:1,166万円
2位:富士フイルムHD:1,003万円
3位:積水化学工業:904万円
4位:住友化学:891万円
5位:三菱ガス化学:879万円
6位:信越化学:855万円
7位:三井化学:848万円
8位:日本高純度化学:827万円
9位:本州化学工業:823万円
10位:昭和電工:815万円
11位:関西ペイント:812万円
12位:日本触媒:810万円
13位:太陽HD:807万円
14位:東ソー:806万円
15位:日産化学:803万円
16位:東京応化工業:787万円
17位:高砂香料工業:786万円
18位:日油:780万円
19位:日本パーカライジング:780万円
20位:住友ベークライト:779万円
21位:JCU:778万円
22位:日本ペイントHD:777万円
23位:ハリマ化成G:776万円
24位:旭化成:769万円
25位:DIC:768万円
26位:カネカ:765万円
27位:JSR:755万円
28位:大日精化:753万円
29位:日清紡HD:752万円
売上で言うと、売上130億円の日本高純度化学が8位で、7位の三井化学は100倍の1.3兆円です。
ここまで売上と平均給与が連動しないとは思いませんでした。
おまけ(時価総額)
最後に時価総額で見るとどうなるという話をします。
株価は2020年12月23日時点なので、日々変動することだけ注意です。
127社の平均は約2,700億円ですが、平均に意味がないほど差が激しい数値となります。
化学業界のトップ20社です。
1位:信越化学:7.1兆円
2位:日本ペイントHD:3.8兆円
3位:富士フイルムHD:2.7兆円
4位:◆旭化成:1.4兆円
5位:◆日東電工:1.37兆円
6位:◆東レ:9,784億円
7位:三菱ケミカルHD:9,140億円
8位:積水化学工業:8,992億円
9位:日産化学:8,845億円
10位:関西ペイント:8,438億円
11位:◆住友化学:6,440億円
12位:◆JSR:6,243億円
13位:三井化学:5,876億円
14位:三菱ガス化学:5,122億円
15位:東ソー:5,107億円
16位:日油:4,310億円
17位:◆エア・ウォーター:4,046億円
18位:◆クラレ:3,964億円
19位:帝人:3,720億円
20位:◆エフピコ:3,590億円
時価総額では大きいけど、今回の三つ星などに選ばれなかった会社は◆を付けています。
これを見て感じるのは、日本ペイントHDが2位と異常に高いということです。
売上は約7,000億円(15位)、当期純利益は370億円(11位)でこれからさらに伸びるという期待の意味もあるのでしょう。
同じ塗料というジャンルで見ると10位の関西ペイントも売上では23位、当期純利益で24位と将来的な成長性を見ている部分もありそうです。
そして売上3.6兆円でNo.1の三菱ケミカルHDの時価総額は9,000億ちょっとで、確かに低いと感じます。
まとめ
本日は自分がもし大学生に戻るならこの化学メーカーにエントリーするという話をしました。
まとめると、
- 上場化学メーカー127社を分析
- 当期純利益率、平均勤続年数、平均給与を重視
- 47社に絞り込み、それを3つにランク付け
- 三つ星6社、二つ星13社、一つ星28社となった
- それぞれの項目で見ると売上が小さい会社や東証一部ではない会社も健闘していた
- 時価総額が大きいことと働きやすさは完全にイコールではない
売上ベースで3回に渡り化学業界を調べましたが、それとは違った面白さがありました。
www.finance-accounting-value.com
このリストを基に個別の企業も研究してみようかなと思います。
こういったあまり注目されていないけど、優良企業こそ調べ甲斐があります。
企業選びの参考になれば嬉しいです。
本州化学工業について分析しました。
www.finance-accounting-value.com
就職四季報を使って化学メーカーかつホワイト企業を探しました。
www.finance-accounting-value.com
動画版はこちら
YouTubeのコメントに当期純利益額、当期純利益率、平均勤続年数、平均給与、時価総額の127社のランキングを載せています。
細かい数値が知りたい方はご覧下さい。
【売上順の127社のリスト】
1.三菱ケミカルHD:3兆5,805億円
2.富士フイルムHD:2兆3,151億円
3.住友化学:2兆2,258億円
4.東レ:2兆2,146億円
5.旭化成 :2兆1,516億円
6.信越化学:1兆5,435億円
7.三井化学:1兆3,390億円
8.積水化学工業:1兆1,293億円
9.昭和電工:9,065億円
10.帝人:8,537億円
11.エア・ウォーター:8,091億円
12.東ソー:7,861億円
13.DIC:7,686億円
14.日東電工:7,410億円
15.日本ペイントHD:6,920億円
16.宇部興産:6,679億円
17.三菱ガス化学:6,133億円
18.カネカ:6,015億円
19.クラレ:5,758億円
20.日清紡HD:5,097億円
21.JSR:4,720億円
22.ダイセル:4,128億円
23.関西ペイント:4,069億円
24.デンカ:3,808億円
25.東洋紡:3,396億円
26.日本ゼオン:3,220億円
27.トクヤマ:3,161億円
28.ADEKA:3,041億円
29.日本触媒:3,022億円
30.東洋インキSCHD:2,799億円
31.セントラル硝子:2,225億円
32.日産化学:2,068億円
33.住友ベークライト:2,066億円
34.アイカ工業:1,915億円
35.エフピコ:1,863億円
36.日油:1,809億円
37.日本化薬:1,751億円
38.サカタインクス:1,672億円
39.三洋化成:1,555億円
40.大日精化:1,551億円
41.高砂香料工業:1,525億円
42.東亞合成:1,450億円
43.日本曹達:1,447億円
44.倉敷紡績:1,429億円
45.クレハ:1,424億円
46.タキロンシーアイ:1,394億円
47.積水化成品工業:1,362億円
48.コニシ:1,352億円
49.ユニチカ:1,195億円
50.日本パーカライジング:1,190億円
51.藤森工業:1,143億円
52.JSP:1,134億円
53.クミアイ化学工業:1,073億円
54.大阪ソーダ:1,055億円
55.東京応化工業:1,028億円
56.石原産業:1,011億円
57.住友精化:997億円
58.リケンテクノス:988億円
59.エスケー化研:960億円
60.KHネオケム:942億円
61.堺化学工業:872億円
62.日東紡績:857億円
63.大倉工業:854億円
64.高圧ガス:836億円
65.信越ポリマー:803億円
66.荒川化学工業:730億円
67.大日本塗料:727億円
68.ハリマ化成G:718億円
69.太陽HD:706億円
70.積水樹脂:677億円
71.日本農薬:633億円
72.第一工業製薬:615億円
73.デクセリアルズ:577億円
74.旭有機材:566億円
75.関東電化工業:537億円
76.藤倉化成:531億円
77.上村工業:522億円
78.四国化成工業:516億円
79.パーカーコーポレーション:508億円
80.長谷川香料:504億円
81.カーリットHD:497億円
82.T&K TOKA:482億円
83.日本カーバイド工業:467億円
84.テイカ:454億円
85.ニチバン:441億円
86.東京インキ:426億円
87.東邦化学工業:422億円
88.北興化学工業:420億円
89.扶桑化学工業:413億円
90.日本ピグメント:384億円
91.保土谷化学工業:378億円
92.未来工業:376億円
93.片倉コープアグリ:376億円
94.日本化学工業:362億円
95.東邦アセチレン:336億円
96.多木化学:327億円
97.松本油脂製薬:314億円
98.綜研化学:287億円
99.大阪有機化学工業:286億円
100.大伸化学:281億円
101.星光PMC:280億円
102.群栄化学工業:270億円
103.新日本理化:268億円
104.第一稀元素化学工業:265億円
105.田岡化学工業:257億円
106.東洋合成工業:245億円
107.ロックペイント:245億円
108.寺岡製作所:229億円
109.JCU:223億円
110.OATアグリオ:219億円
111.日本化学産業:215億円
112.本州化学工業:213億円
113.サンエー化研:197億円
114.広栄化学:185億円
115.ナトコ:177億円
116.伊勢化学工業:169億円
117.石原ケミカル:168億円
118.恵和:158億円
119.アグロカネショウ:146億円
120.日本高純度化学:130億円
121.ダイトーケミックス:124億円
122.エス・ディー・エス バイオテック:124億円
123.ヤスハラケミカル:122億円
124.丸尾カルシウム:119億円
125.メック:109億円
126.ケミプロ化成:106億円
127.アトミクス:105億円
ここまでお読みいただきありがとうございました。