就職四季報×化学メーカーでホワイト企業16社を見つける
本日は就職四季報総合版(青)で化学メーカーのホワイト企業を探します。
先日、自分の過去の就活以来10年振りに就職四季報総合版を購入しました。
就職四季報は東洋経済新報社から発売されている本で、メインのコンテンツは1,279社の詳細な就活用の情報です。
採用人数や離職率、有給取得平均、平均年収ほか様々な情報が含まれています。
今回はその就職四季報から、化学メーカーに限定して、どの会社が真のホワイトなのかを調べてみます。
化学業界は傾向としてホワイト企業が多いですが、その中でも特に働きやすい会社を紹介します。
以前も有報を通じて調べましたが、就職四季報はよりホワイト企業が探しやすい部分もあります。
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是非、最後までご覧下さい。
※優良・中堅企業の緑版の活用法などはこちら
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結論:やはり規模が大きい=ホワイトではない
今回のルール
今回も項目毎の上位の会社にポイントを与える方式で、総合ランキングを作成し優秀な企業群として紹介します。
重視する項目は3つとシンプルです。
まずは就職四季報に記載されている化学カテゴリの会社を抽出します。
前回の化学業界同様、花王などの化粧品の会社や太平洋セメントなどのガラス・土石は除きます。(次回取り上げるかも)
その結果、54社が該当しました。
前回自分で抽出した127社にほぼ含まれており、2社のみが前回に出てきていない会社となります。(リンテックと非上場のイノアックコーポレーション)
この54社の中からホワイト企業を探すというものです。
今回は◯◯が離職率5%のように詳細な数値は公開しませんので、気になる方は本をご確認下さい。
①3年後離職率
これは、3年前に入社した社員がどれだけ退職したかを示す率です。
60名入社して3年が経過し6名が退職すれば10%となり、この数値が低いほど働きやすい会社となります。
54社の中で2社だけこの比率を公開しておらず、この2社にはポイントは与えません。
全54社で上位の18社に2ポイント、中位の18社に1ポイント加算します。
平均は9.2%となりました。
自分もちょうど新卒で入社して3年で退職して、同期の辞めた比率は10%は超えていたような感覚です。
ちなみに0%(誰も辞めていない)の会社も6社あり、最も高いのは42.9%(7名入社の3名退職)でした。
②有給取得年平均
次に有給取得の年間での平均日数です。
何故か貰った有給が100%取得出来ないのが、日本企業の不思議なところです。
だからこそホワイト企業かを判断する材料となります。
日本の会社の全平均の有給取得率は50%だそうで、6.5年以上勤務した社員に20日間与えられるのが普通です。
新入社員の方なら入社半年後に10日付与されるでしょう。
つまり、ざっくり平均は10日間だけ有給を使っているということです。
54社の平均は13.8日で、やはり普通の会社よりかは使いやすいと言えそうです。
トップの会社は18.6日とかなり休める一方で、最下位は9.8日で9日も取れる休みが違うという結果です。
社会人になると本当に有給の休みが嬉しいので、この差はかなり大きい気がします。
ちなみに会社を退職する際は全部使い切れるのが普通で、それなら最初から全部使わせてくれと言いたくなります。
ここでも上位の18社に2ポイント、中位の18社に1ポイント加算します。
③平均月間残業時間
最後に月間の残業時間の平均です。
これも会社ごとに数値が大きく違い、面白い結果です。
54社の平均は13.9時間です。
月の営業日は20日とすると、1日40分だけ残業するようなイメージです。
ただし、残業時間を1分単位で計算する会社と、15分や30分単位で計算するような会社では意味が異なります。
さらに、1時間以内の残業は暗黙のルールで付けないなんて会社もあるでしょう。
とにかく月平均の残業時間が少なければ、ホワイト企業なのは間違いないですが、部署によっても差はあります。
上場会社の経理なら四半期毎の決算時には残業が必須の場合なのが、多いのではないかと思います。
営業でも忙しい(利益を稼いでいる)部署ほど、残業が増える傾向があります。
トップの会社はなんと4.1時間という驚異的な少なさでした。
逆に最も多かった会社は25時間という結果で、その差は月間で21時間です。
これを1年で考えると、250時間も差がつくので、ホワイト企業を探すために非常に便利な指標だと思います。
もちろん、残業をすれば普通の会社は残業代は貰えるのですが、残業で生活費を稼ぐ時代はもう終わりだと思うので、残業が少ない会社が生き残ると思います。
ここでも全54社の上位の18社に2ポイント、中位の18社に1ポイントを加算し、6ポイント合計でランキングを作成しました。
化学メーカーホワイト度総合ランキング
3年内離職率が低い、有給がたくさん取れる、残業時間が少ないそれぞれを満たしたランキングを紹介します。
今回は4ポイント以上獲得した16社だけを紹介します。(ちなみに0ポイントの会社が1社だけありました)
6ポイント:1社
- 東亞合成
なんと満点は1社だけで、東亞合成でした。
正にホワイト企業の鏡と言ってもいいでしょう。
5ポイント:6社
- 宇部興産
- 三菱ガス化学
- 日本ゼオン
- クレハ
- サカタインクス
- クラレ
同率の場合は直近の本決算での当期純利益額が大きい順としています。
こちらもかなりのホワイト度を誇る企業と言っていいでしょう。
4ポイント:9社
- 旭化成
- 東ソー
- DIC
- 日油
- トクヤマ
- 関西ペイント
- ADEKA
- 日本パーカライジング
- 大日精化工業
3つのうちどれか一つは最高レベルの4ポイント獲得は9社でした。
旭化成と東ソーはめっちゃデカい会社ですが、それ以外はやや意外な顔ぶれとも言えるでしょう。
これが化学メーカーの中でも、超ホワイトな16社と言えます。
有名な三菱ケミカルや信越化学、住友化学なども登場せず、やはり数字で見ると、単純な規模とは違う結果になります。
その他の54社の平均データだけ紹介すると、下記になります。
- 採用人数:45名(文理修士・大卒)
- 年収:822万円
- 開示度:3.6点(5点満点で高いほど良い)
- 残業額:39,215円(開示21社)
- 残業単価:2,763円(額と時間から算出)
この前の三つ星と比較すると?
さて、前回の化学業界の127社から47社に絞り込んだ結果と比較するとどうでしょうか。
前回は有報から当期純利益率、平均勤続年数、平均年収で働きやすい会社を探しました。
三つ星が最高で二つ星、一つ星、無印の順でした。
対応関係は下記です。
太字にしているのが、前回は注目していなかった企業です。
東亞合成:6ポイント→☆
宇部興産:5ポイント→無印
三菱ガス化学:5ポイント→☆
日本ゼオン:5ポイント→☆
クレハ:5ポイント→☆☆☆
サカタインクス:5ポイント→無印
クラレ:5ポイント→無印
旭化成:4ポイント→無印
東ソー:4ポイント→☆
DIC:4ポイント→☆
日油:4ポイント→☆☆☆
トクヤマ:4ポイント→☆☆
関西ペイント:4ポイント→☆☆
ADEKA:4ポイント→無印
日本パーカライジング:4ポイント→☆☆
大日精化工業:4ポイント→☆
つまり、前回のスクリーニングでは無印と優秀と判断出来なかったのが16社中5社もあったということです。
特に宇部興産、サカタインクス、クラレは今回5ポイントなので、抑えておきたい3社です。
逆に前回も上位で今回も優秀なのが、下記の5社です。
- クレハ
- 日油
- トクヤマ
- 関西ペイント
- 日本パーカライジング
この5社は働きやすさを重視するなら優先度が高いと言えそうです。
就職四季報には中堅企業編(緑)もあるので、こちらも見ると面白そうです。
例えば、残業ゼロで有名な未来工業は有給も取得しやすいでしょうし、離職率も低そうで6ポイントありそうです。
もちろん、調査の精度に関しては難しいところで、この数値は会社の自己申告に過ぎないので実態と離れている可能性もあります。
特に実際の残業時間(拘束時間)はこれよりも多いのかもしれません。
ただ、情報を積極的に開示している会社については、一定の評価をすべきで、公開姿勢の悪い会社よりは優れているでしょう。
OpenWorkのような口コミサイトも参考になるかと思います。
まとめ
本日は就職四季報から化学メーカーで超ホワイトな企業を探しました。
まとめると、
- 就職四季報総合版のメインページの化学メーカーは54社
- その中からホワイトな16社を選んだ
- 基準は3年内離職率・有給取得日数・残業時間
- 前回の項目とは異なるので、ノーマークの会社もあった
- ただし、データの出所の信頼性は考えるべき
就職四季報も面白いな~と改めて思いました。
就活していた当時もこの会社は化学業界なのに、離職率が高いとか、残業が多いという情報を利用していて、あまり変化していない会社もありました。
緑版も面白そうなので、購入したら結果をまとめるかもしれません。
少しでも参考になれば幸いです。
動画版はこちら
ここまでお読みいただきありがとうございました。