経理マンに英語は必要なのかを、商社時代に英語を使った経理マンが解説します。
本日は経理と英語について語ります。
経理マンは業務で英語を使うのかどうかを、3社経験した経理マンが自身の経験を踏まえ、語ります。
ちなみに、私のTOEICの点数は、大学時代が660点で現在は820点です。
予備校時代に勉強して、英語が得意になったというプロフィールです。
結論:転職する気がないなら、不要の可能性が高いが、一部の業界なら必要
経理マンと英語
まず前提として、これから経理になるかもしれない学生の方は英語を勉強しましょう。
英語学習の必要性は宇宙の真理みたいなもので、勉強して間違いなく損はありません。
若い頃の方が記憶力もいいし、やるなら若い方が競争力も高いです。
最初に、私の英語使用経験から書きます。
私は新卒でメーカーの本社経理に配属になりました。
メーカーには海外拠点も複数ありましたが、英語を使って記憶はありません。
ただ、会社でTOEICの試験は受けることが出来たので、受験だけしていました。(ちなみに大学時代よりも点数は下がっていた)
そして入社から3年して、商社の経理に転職することになります。
商社では海外に子会社があったこともあり、英語を使用する機会が増えました。
その後、ベンチャーに転職しましたが、そこでは使用していません。
商社の時の英語について詳しく記載します。
商社時代の英語
海外出張も何回か行きましたが、基本的にはメールのやり取りです。
ちなみにこの商社時代にTOEICの点数も上がりましたが、話すスキルは全然上達しませんでした。(一応、出張時には英語でコミュニケーションをしました)
英語を勉強しようとなると、少し身構えてしまう方もいるかもしれません。
しかし、ビジネスで必要な部分だけでいいのです。
ビジネスで使う領域と考えると、使用される単語もそれほど多くはありません。
例えば、離婚を英語では?と訊かれて答えられないかもしれませんが、ビジネスに於いては不要です。
もちろん、仕事外でのコミュニケーションでは知っておいて損はありません。
しかし、まずは仕事で使う部分だけを一定のレベルにすることが大事です。
そして、ビジネスの領域の中の経理・会計に限定すれば、出てくる単語はさらに減ります。
後は、その業界の特質だけ押さえれば大丈夫です。
例えば、食品のメーカーなら工場関係のワードや、食品の原材料などが出てくる可能性が高いです。
商社時代も、経理で出てくるのは勘定科目(AP、AR)や貸方借方などでした。
さらにメール対応だけということであれば、話すこととは違い、直ぐに返信をしなければならないということは少ないです。(相手は緊急でと言ってくるかもしれませんが、それさえ言葉通りでないこともあります。)
分からない単語があれば、翻訳サイトを借りてもいいのです。
自分はアジア圏のスタッフだったので、相手のスペルミスや文法の間違いだってありますし、相手も完璧ではないこともあります。
しかも、英語という言語は便利で、曖昧な表現が少ないのです。
日本語だと、結論ファーストでメールしない人の方が多いです。
英語なら自然と結論だけを書くようになります。
英語をあまり理解していない人ならなおさら、こうしてほしいという要望だけ書けばいいのです。
自分は定型的なやり取りの方が多かった印象です。
例えば、下記のようなテンプレになります
- このファイルが足りないから送って下さい
- この部分だけ修正して下さい
- この日に送金して下さい
- ファイルを送るので確認して下さい
これぐらいで十分なのです。
もちろん、英語の単語などは知っている量が多いほどいいですが、完璧を求め過ぎないのがポイントです。
これから英語が必要になる人は?
私はメーカー時代は英語が特に必要ではなかったので、英語を勉強する気もほぼありませんでした。
今、経理をやっていて英語が不要なのであれば、優先度を上げてまで勉強はしなくてもいいのかなと思います。
また転職する予定がなければ、なおさら勉強する動機もないと思います。
しかし同じ経理で英語を業務で使っている人がいるなら、その人のポジションが空いたら英語を使う人が必要ということです。
そして、私の経験では、商社などに転職したいなら、きちんと英語は勉強しておくべきだと思います。
英語を勉強しておけば可能性が広がります。
やはり40歳以上とかとなると、英語に拒否反応がある人が多いです。
少しでも使えるというだけで、ポジションや役目が回ってくる可能性もあります。
また、これは監査法人の会計士の先生が言っていたのですが、やはり会計士も英語が出来る人材を求めているようです。
会計士業界でも、英語は可能性を広げる言語なのは間違いないようです。
オススメの勉強法
私が経理実務で英語を使うようになって思ったのは、財務諸表の英語の理解が必須ということです。
もちろん、最初は翻訳サイトを使ってもいいのですが、よく出てくる科目の英語については覚えておくのがベストです。
オススメの勉強法は、海外の会社の情報(財務諸表)を読むことです。
例えば、GAFAはアメリカで上場しています。
グーグル(アルファベット)の財務諸表を英語で見てみると、新たな発見があるかもしれません。
ちなみにアルファベットの総資産は約30超円です。(トヨタ自動車は約55超円)
よく使う単語と言えば利益剰余金(retained earnings)などもあります。
TOEICの勉強ももちろん悪くはないです。
私の場合、あまり効果を感じませんでした。
TOEICで利益剰余金というワードは出てこない可能性が高いです。
しかし、経理実務なら知っておくべき単語なのです。
使う範囲が会計・経理に限定されるので、ビジネス他を扱っているTOEICとは領域が重なる部分が少ないということでしょう。
ですので、海外の財務諸表を見ることをオススメします。
いつかは完璧な翻訳アプリが出てきて、言語の壁が完全になくなる日も来るのかもしれません。
それまでは英語と上手く付き合う必要がありそうです。
動画版はこちら
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