久々に良書に出会い、本屋さんで購入した本の紹介です。
先日、本屋さんで立ち読みをしていると、非常に面白いと思う本がありました。
経理とか会計関係の本では、一番と言っていいほど面白かったので紹介しようと思います。
超専門的というわけではなく、導入としての本となるので、営業の方でも楽しく読めるのではと思います。
結論:若い経理マンにもオススメだし、営業の人が読んでも面白いと思う
現場で使える会計知識 川井 隆史 (著)
今回、紹介するのは現場で使える会計知識 川井 隆史 (著)です。
出版社はアスカビジネス(明日香出版社)というところで、私は存在を知りませんでした。
著者の川井隆史氏は、国民金融公庫、アーサー・アンダーセン、日本コカ・コーラ、GEの外資系企業などに勤務したらしいです。
ちなみに、この本は2019年の6月に初版が発行され、私が購入したのが、第10刷発行のものなので、それなりに売れている本なのだと推測されます。
以下、本の要約です。
本書の特徴は、現場のマネジメント層や、意欲あるミドルマネジメント層向けの、日々の意思決定をする際に役立つ会計知識をまとめているという点。
細部の厳密な説明は捨てて、骨組みを理解するのが目的。
分からないところは専門家(経理など)に聞けば良いので、10%の理解がゴール。
1章:教養から武器になる会計知識
この本は専門実務書ほど体系的・網羅的ではないが、現場の実戦には使える
財務諸表とは何か?と、財務三表のつながり
2章:現場で使える キャッシュ・フロー会計
キャッシュ・フロー会計の仕組み。
CCCや運転資本の理解を、Amazonの例からも確認。
3章:現場で使える 連結会計
連結の概念を学ぶ。
合算+ダブりの消去で、グループの視点を持つことが大事
4章:現場で使える M&A会計
M&Aの理解のキーはのれん。
IFRSではのれんを償却する必要がない。
デューデリジェンスも理解した方がいい。
5章:現場で使える 税効果会計
税効果、実効税率、評価性引当金を理解する。
6章:現場で使える 減損・資産除去債務会計
減損の概念を学ぶ。
資産除去債務も比較的新しいが、勘違いしやすいので注意。
7章:現場で使える 新会計基準
収益計上の方法が変わる。
共通認識の5ステップをざっくりイメージしよう。
感想
章ごとに、それぞれ企業の実例を使って解説があるので、理解が進みます。
例えば、税効果会計ではりそなホールディングスだったり、減損の部分では東芝も登場します。
自分自身も経理マンとして、 8年近く働いているわけですが、非常に勉強になりました。
願わくば、新卒の1年目や2年目にこんな本があったら、また違っていたかなと思えるほど、いい本だと感じました。
日商簿記の勉強をすれば、簿記に関する知識がつくのは間違いないのですが、それが直接実務に役立つかというと微妙な部分もあります。
私は、本支店会計とか嫌いでしたし、そもそも実務では使わないことなら、興味も出てこないでしょう。
その点、このような大事そうな部分だけ紹介というスタイルは非常に良いと思いました。
企業の実例と数値があって、説明がよりイメージしやすいです。
経理歴10年未満の方にも参考になると思いますし、営業の方でも比較的面白く読めるのではと思います。
巷では、これから学ぶべきスキルは会計、英語、プログラミングとか言われていますが、会計の勉強にピッタリかもしれません。
何となく立ち読みしていて、いい本に出会ったので、やはり用事もなく書店に行くのもいいのかなぁと思いました。
もうひとつ、日経キーワードという本も購入したのでまた紹介しようと思います。
www.finance-accounting-value.com
ここまでお読みいただきありがとうございました。