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【メーカー経理】製造業の経理で気づいた5つのこと

【メーカー経理】メーカー経理で気づいた5つのこと

【メーカー経理】メーカー経理で気づいた5つのこと

メーカー経理が覚えておくべき5つのポイントを紹介します。

本日は、新卒でメーカーに入社し、経理に配属になった男がメーカーの知っておくべき側面を語ります。

これを入社前に知っていたら、無駄が減っただろうなと思います。

かつての自分に向けたメッセージとして書きます。

メーカー経理の方だけではなく、これからメーカーに入社される方にも参考になる部分があるかと思います。

結論:5つのポイントは工場に起因する

メーカー経理になって初めて分かったこと5選

早速、5つのことについて書いていきます。

①工場の存在がでかい

これは当たり前のことで、私が就職活動をしている時も同じように思っていました。

私は新卒の就活時には、メーカーに絞って就活をしていました。

メーカーには工場があるのが当然で、重要性も高いです。

しかし、入社してみると思っていた以上に工場の存在が大きいのです。

 

ここでは、2つのポイントで語ります。

ⅰ.メーカーの工場は命

当然ながら、メーカーの工場の稼働が止まってしまえば大打撃です。

つまり、命と言っていい存在です。

ちなみに、工場には工場長というトップがいます。

工場長はその工場で働く人にとっては、社長よりも偉い存在と認識されることもあります。

 

ⅱ.経理にとっての工場の存在

本社の経理で働いて感じたのは、工場締めが大事ということです。

工場がある場合、工場の締めが終わらないと、本社側の処理が出来ないことが多いです。

例えば、工場締めが第1営業日で、本社締めが第3営業日というような流れです。

工場がそれほど大きくない場合は、工場の事務部門(経理・総務・人事なんでも)が工場経理を担当します。

工場の締めのミスに対しては、本社側でカバー出来ないこともあり、それがリカバリーされるまで待たないといけないということもあります。

工場が複数あれば、どれか一つでも遅れれば、本社側の締めも遅れてしまいます。

当然ながら、工場側もミスをしたいわけではなく、結果として締めが遅れるということです。

金額が小さいもので、後で見つかった場合は、次の月に計上しておくという可能性もあります。

 

まとめ:メーカー経理は、工場の重要性をきちんと理解しておきましょう。

 

②意外と原価計算は詳しくなくても、大丈夫なこともある

私は、大学在学中に日商簿記3級は取得していました。

2級は会社に入社して3年目に、ようやく取得が出来ました。

つまり工業簿記はあまり理解していないまま、仕事をしていたということです。

もちろん、新卒で期待値も低かったでしょうし、原価計算を知らなくていいとは言えません。

 

原価計算を正確に理解しなくても、大丈夫だったのは、会計システムのおかげです。

会計システムをポチッと押せば、原価差異を勝手に計算してくれるのです。

※もちろん、それ以前の締め処理は必要です。

メーカー経理で検索すると、メーカーの経理なら原価計算が大事と書かれていることあるのですが、原価計算だけに注力するということは少ないと思います。

 

ただ、私の所属していた会社は中堅メーカーと言われるところでした。

会社や工場の規模が大きくなると、原価計算の専門のメンバーが置かれる場合もあいります。(原価チームとか呼ばれたりする)

そういったチームなら、原価計算の知識は必須です。

 

ここからは個人の推測によるものです。

原価計算のスキルに長けているということは、間違いなく長所です。

ただ、会社独自のルールによる部分が大きいではと推測します。(自社の原価計算は外部には公表せず、属人化しやすい)

それが転職時に評価されるかは、また別の問題だとは思います。

もちろん、メーカーの原価チームから、別の原価チームに行けば、評価されるでしょう。

しかし、その会社毎の特徴があり、馴染むのに時間がかかりそうですし、前職の経験も活かしにくいのではと推測します。

 

まとめ:メーカー経理は、原価計算だけに注力せず、色々なことに興味を持つことをオススメします。

 

③色んな部署の人に質問することが多い

メーカー経理は、色々な部署の人に質問することが多いです。

例えば、原価のことで質問するなら、生産技術部に問い合わせることもあります。

工場があるからこそ、原単位という言葉があったりもします。

研究開発費について質問するなら、R&D部門にも訊きます。

子会社の数値が分からなければ、子会社の経理担当者にも質問します。

 

業種に関わらず、経理は色々な人に質問することが多いのです。

それがメーカーなら、工場やR&Dもあり、より質問対象が増えるというイメージです。

会社に入るまでは、経理にコミュ力が必要とは考えていませんでした。

意外と、経理は数字だけでは分からないことが多いので、色々なことを質問する必要があります。

コミュ力と言っても、数字の背景を教えてもらうことが多く、手に入れたい情報はシンプルなものばかりなので、あまり心配しなくてもいいかと思います。(自分も当時は、人と関わることが苦手だった)

 

まとめ:メーカー経理は、質問することが多いので、質問力を磨きましょう

 

④今までのやり方が重視されがち

以前も書いたことで、メーカーには保守的な人が多いです。

変化や変革に対しては、まず「今までのやり方ではダメなの?」という質問が飛んできます。

あくまでも傾向であり、それが必ずしも悪いということが言いたいのではありません。

なぜこのような思考になるのかを考えると、工場の製造の流れは今までの積み重ねということが大きいと考えます。

つまり、決まったことをこなすということが求められるので、変化を嫌う傾向があるのかもしれません。

元々、人間は変化しないことに安心を求める生き物なのです。

それが当たり前と言っていいでしょう。

 

メーカーというのは、比較的安定性があると言えます。

その作っている商品に価値がなければ、他のメーカーが選ばれるはずです。

ある程度の歴史があるなら、競争力があるということです。

そしてその競争力を作った結果の安定なので、これは仕方がない部分もあるでしょう。

 

経理担当者からすると、なんでこんな意味分かんないこと(=非効率な作業)を続けているのだろうと疑問に思うことが多いかもしれません。

それを効率的なやり方に変えようとすると、思った以上に労力がかかるというのが実感です。

 

まとめ:メーカー経理は、変えにくいことも多いことは覚えておきましょう。

 

⑤本社 vs 工場の構図

メーカーなら避けることが出来ないのが、本社の意向と工場の意向の食い違いです。

これがなぜ起きるのかと考えてみると、まずは工場が複数存在することが挙げられます。

工場が複数あれば、序列が生まれることになります。

北海道の工場と、長野の工場、鹿児島の工場があったとして、この3者が同じ順位ということはあり得ないでしょう。

これからさらに拡大する工場もあれば、現状維持でOKという工場もあって、さらには縮小予定の工場もあるでしょう。

日本の工場集約という議論もありますし、工場の数というのは少なくなって、効率化が図られる時代なのでしょう。

 

こういった序列があるので、A工場の機器購入の稟議はOKで、B工場の稟議は保留ということが起こり得るのでしょう。

もしも会社に工場が一つしかなければ、本社と工場の対立は少ないでしょう。

 

もう一つの論点は全体最適と部分最適です。

本社側というのは、全体を見るべき組織です。(それが出来ているかは別として)

工場は自分の工場を見て、これが必要という主張をします。

当然ながら、2つの意見が一致しないこともあるでしょう。

 

工場で働く方には、本社の人を本社で働いているという理由だけで、とにかく毛嫌いする方も稀にいます。

結論から言うと、こういう負の感情は仕事には不要です。

「本社の人間は使えない」という思い込みは、捨てましょう。

 

まとめ:メーカー経理は、本社と工場の対立構造を理解しておきましょう。

 

以上、メーカーの経理に新卒で配属になって気づいた5つでした。


<イラスト図解>工場のしくみ

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。