今までたくさんの会計士に会ってきた経理マンが、こんな会計士は良くないという偏見に満ちた考えを語ります。
本日は、監査法人の会計士の先生の特徴について語ります。
新卒で入った会社から、今に至るまで多くの会計士の先生と会いました。
名刺交換した人数だけなら100人は超えているかもしれません。
そんな経理マンが、こんな会計士は良くないという特徴について3つ紹介します。
※多くの会計士の先生が優秀なので、悪い意味で目立ってしまう先生の特徴です。
結論:ベスト3は清潔感、自信がない、理論だけ
会計士はほとんどが超優秀
まず、前提として私が接したことがある会計士はほとんどが優秀です。
私は所謂ビッグ4という、監査法人界の大きな監査法人の会計士の方としか会ったことはありません。(ビッグ4:トーマツ、EY、KPMG、PwC)
当然、規模が小さくなるとより差が生まれやすく、ビッグ4の会計士は良くも悪くもまとまっている方が多いかもしれません。
比率で言えば、99%がしっかりとしていて誠実な方です。
会計士の先生の優れている点としては、下記があります。
- 難関資格を合格するだけの努力を続けられる才能
- 専門家なので、会計や監査の知識が豊富
- チームで動いており、自らの役割を理解している
- エクセル・パワポの扱いが上手い
- 様々な会社を監査するので、色んなケースに精通している
さらに、会計士出身の経理の方と仕事をしたこともありますが、もちろん総じて優秀です。
会計士の先生は、経理実務を知らない(やったことがない)方が多いですが、その点を克服すれば鬼に金棒です。
だからこそ、出来ない人が目立ってしまう面はあります。
こんな会計士は嫌われる①清潔感がない
まず一つ目の特徴は清潔感がない会計士です。
これは男性の会計士です。
会計士の先生方は、服装にこだわりのある方が多いです。
若手の会計士だったとしても、スーツにお金を使っていそうだなと思う方が大半です。
しっかりとしたスーツに、下はベスト、時計もそれなりのものをバッチリ決めてクライアント先へ向かうという印象です。
そんな会計士の先生が多いので、清潔感のない方はかなり目立ちます。
具体的には、下記のような特徴です。
- ヒゲを処理していない
- シャツがパンツから出ている
- 体臭・口臭
- 髪がボサボサ
少しズレますが、会計士はお酒が好きな人が多いイメージです。
飲み会の次の日の監査に来た時は、経理マンでも分かることがあります。
これは社会人でも同様で、こんな人は上司から注意されるでしょう。
ただ、監査法人はアサイン制という、チームで動いているので、注意しにくい部分もあるのでしょう。(上司がチーム毎にいるので、誰かが言うだろうみたいな側面もありそう)
こういった清潔感がない方は、非常にもったいないです。
なぜなら、清潔感がないだけで、信用度が落ちてしまうからです。
具体的には、「この人服装がだらしないから、仕事もいい加減なんじゃないかな?」と思われてしまうのです。
せっかく、スキルや能力があるのに、最初からそんな印象を持たれてしまうと非常にもったないですし、挽回するのが大変です。
これはクライアント先に監査に行く時には、注意すべきだと思います。
監査法人の事務所などで作業するなら、個人的にはそれは自由にしていいかなという感じです。(事務所内で嫌われる可能性はありますが笑)
まとめ①:清潔感は最低限のマナー
②質問する際に自信がなさそう
二つ目は、自信がなさそうな会計士です。
これも若手の会計士(女性も含む)に多い特徴です。
私は比較的年次が若い(社会人歴10年もいってない)ので、会計士の先生から質問を受けることがよくありました。
そんな若い経理に対して質問しているのに、自信がなさそうに訊いてこられる方がいました。
確かに、経理の人に質問することで、その人に時間を使ってもらうことになります。
しかし、監査で必要だからこそ質問をしているのです。
どうせ質問するなら、自信を持って質問した方が質問を受ける側も助かります。
自信がなさそうな方の質問は、少しピントがズレていることもあります。
恐らくですが、自分でも質問の意味を整理出来ていないのではと思います。
経理として、その受けた質問について少し調べてみると、そもそも前提が間違っているということもあったりします。
自分なりの仮説を持って、間違ってもいいと強気になって質問すればそれでいいと思います。
自分の考えを持って質問するなら、経理に嫌われても構わないのです。
質問は口頭でするのか、メールでするのかも悩ましい問題だと考えます。
会計士の先生からメールでこちらに質問が来ると、「これ、何が訊きたいのかよく分からない」ということがそれなりにあります。
そしてこちらも相手の意図しない回答をしてしまい、無駄なメールのやり取りになったこともあります。
口頭だと、ポイントを絞ってもらえないと、ダラダラと時間を使ってしまうということもあります。
確実なのは、メールで質問だけ伝えておいて、後で監査部屋で口頭で確認するしれません。(人によってメール見てない人もいるので、これが通用しない人もいます)
まとめ②:質問する時は、ポイントを絞って
③理論(理想)に拘泥する
最後の特徴は理論(理想)に執着してしまう会計士です。
これが言いたくて、この記事を作成したといっても過言ではありません。
今までの清潔感や自信のなさは、若手の会計士に当てはまることが多い特徴です。
このあるべきの理論にこだわるというのは、マネージャーみたいな層でも陥る可能性があると言えます。
もちろん、これに当てはまるのが多いのは若手の会計士です。
なぜなら、公認会計士試験を経験したのが、最近だからです。
監査や会計の理論はこうであるというのが、頭に入って間もないので、それが正しいと思ってしまうのにも納得です。
そもそも、前提として経理サイドと監査サイドは戦う相手となってしまいがちです。
経理サイドは、その会計処理が会計的に正しいかは問題にしていません。(※そういう傾向が強いが、そうでない人もいる)
経理マンは早くて、楽な処理であれば、それを続けたいのです。
経理の目標は、一定のクオリティで決算を早く終わらせることです。
しかし、監査サイドは、監査報告書を出すことがゴールです。
会社が行っている会計処理が、会計的に正しいのかどうかを判断する必要があります。
時間がかかりそうとか、今までこうしてきたというのは、判断材料ではありません。(もちろん、あまりに処理に時間がかかるなら別の方法でという理解はしてくれますが)
その両者がお互いに主張するので、妥協点を見つけることになるのです。
よくある構図として、ざっくりとラフに簡便的にやりたい経理と、原則に従い厳密に計算してほしい会計士のぶつかり合いです。
この逆というのは、中々起こりません。(会計士側が、もっとざっくりでいいですよと提案してくる例)
例えば、賞与引当金という概念があります。
これはボーナスの支給額を予想して、先に引き当てておくという考え方ですが、この計算でも大まかにやるのか、細かく計算するのかという違いがあり得ます。
重要なのは、賞与が業績に連動するものだとすれば、絶対的な正解がないということです。(定額支給なら、その金額だけ計上でいいし議論にならない)
厳密に計算したとしても、その予想が外れる可能性があるということでもあります。
正解がないからこそ、楽にあっさりやりたい経理と、厳密にやりたい会計士で戦いになるのです。
それなのに、会計士が自分の理想だけを追い求めては、経理側からすると歩み寄る気持ちが感じられません。
感覚として、会計原則がこうだということを理解していても 、常に自分が正しいというスタンスの人に、Yesは言いにくいのです。
経理をやっていた時に、とにかく自分の主張が正しいと言う会計士がいました。
自分はエビデンスを渡したり、説明をするのですが、中々納得してくれませんでした。
最終的には、監査側のチームのマネージャーが上手く納めてくれました。
その時に感じたのは、そのマネージャーの歩み寄る姿勢でした。
これがない人とは、仕事をしたくないと感じてしまいます。
これは自戒も込めて、今一度考える必要があると思います。
まとめ③:自分が正しいとだけ主張するのではなく、歩み寄る姿勢を忘れずに
以上が3つの特徴となります。
たいていの争いというのは、自分の主張と相手の主張が一致しないからだと思います。
妥協点を探す能力が高い人ほど、ストレスなく日々を過ごせるのかなぁと思う経理マンでした。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。