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【連結決算】子会社が増えると何で決算が面倒くさくなるの?経理マンが解説【YouTube動画あり】

【連結決算】子会社が増えると何で決算が面倒くさくなるの?経理マンが解説

【連結決算】子会社が増えると何で決算が面倒くさくなるの?経理マンが解説

経理マンは子会社が少ない方が嬉しい?

本日は連結決算と、子会社の数について語ります。

上場会社でも連結決算している会社が多いですが、きっと経理の方達は子会社が多いことで仕事が増えています。

連結と言えば子会社があるということですが、決算業務が煩雑になるのは子会社が多いからと言っても過言ではありません。

なんとなく子会社が増えれば、業務が増えそうというのはイメージ出来るとは思いますが、具体的にどんなことが面倒なのかを経理マンの視点で紹介します。 

結論:経理が社長なら子会社は減らしたい

なんで子会社があるの?

その会社1社だけなら、連結決算ではなく単体決算となります。

これはつまり、子会社が存在しない会社と言っていいでしょう。

上場会社で言うと、500社程度が単体決算で、残りの3,300社が連結決算ということになりそうです。(※Yahoo!ファイナンスで調べた、推定ベース)

新日本監査法人の2012年に調べたデータがあるようです。

www.shinnihon.or.jp

つまり約13%が単体で、残りの87%が連結決算をしているという計算になります。

 

例えば単体決算だけの会社として、ASAHIネットというインターネットプロバイダーの会社があります。

売上は年間で102億円、当期純利益は11億円の会社です。

もちろん、一概には言えませんが、連結の会社の方が規模が大きいことが多いです。

 

ちなみに、非上場会社の小さい会社なら無理して連結決算をする必要はないので、たくさん子会社があったとしても連結の財務諸表を作ってませんという会社もあるでしょう。

 

事業を分けるという意味で、子会社を設立することが多いでしょう。

もちろん、1社の中で様々な事業を行っても問題はありません。

そもそもの子会社の定義

子会社と間違いやすいのが、支店です。

さらに海外であれば、駐在員事務所という言葉も出てきます。

子会社は海外なら現地法人とも呼ばれます。

子会社というのは、親会社と全く別の法人(会社)となります。

 

しかし支店は、海外にあろうともあくまでも親会社の一部に過ぎません。

そして駐在員事務所は、支店のさらに弱いパターンです。

支店なら営業活動は出来ますが、駐在員事務所は営業活動が出来ず、情報収集などの活動をするための組織です。

 

経理や簿記的には支店と言えば、本支店会計という言葉が浮かびます。

子会社が増えるとどうなる? 

まずは単純に、集計作業が増えます。

工場や店舗が多いのと同じで、合算の手間が増えることで、1社でも間違えがあればやり直しです。

ちなみに海外の子会社ほど、ミスが多い印象です。(もちろん国や担当者にもよるでしょう)

本社(親会社)からすれば、明らかにおかしいものを特に確認もせずに送ってくるイメージです。

もちろん、決算開示のプレッシャーなんて知らないでしょうし、出来るだけ楽がしたいという姿勢も理解できます。

自分が現地で働いているなら、海外の親会社のことなんて深刻には考えないでしょう。 

 

そして子会社が増えると、相殺すべきものが増えてしまいます。

例えば、親会社から子会社への売上、この逆の子会社の親会社からの仕入れというのは、ダブリなので相殺して消去するという考え方です。

これは子会社同士でも同様なので、子会社が増えるほど、この相殺するものがたくさん出てきてしまうので、面倒になるのです。

 

債権債務という概念 

つまり親会社と子会社、もしくは子会社同士の取引があるなら、債権債務を確認しなければなりません。

債権債務とは、親会社が売って、子会社が仕入れるという取引なら、その数値が合っているよねというイメージの言葉です。

つまり、親会社の子会社に対しての売上(PL)と売掛金(BS)と、子会社の親会社からの仕入(PL)と買掛金(BS)が対応関係にあるということです。

親会社の売上と子会社の仕入れが一致していて、かつ親会社の売掛金と子会社の買掛金が一致しているはずということです。

そしてその一致している金額を連結消去と言って、ダブリを消す仕訳を計上することになります。

連結は単純に合算しただけでは、答えが出てこないのです。

(※言い換えると、連結と単体の数字を比較することに意味はありません、連結だけを見ればOK)

 

ここで注意したいのは、必ず一致しているわけではないという点です。

例えば売上を上げるタイミングと、仕入れを上げるタイミングが違うことがあります。

売上の計上の基準として発送基準、引渡基準、検収基準などの種類があります。

親会社は発送した日を売上として、子会社は実際にものを確認した日(検収日)に仕入れたとなれば、月末の売上なら、ズレが生じることもあり得ます。

これが国内の会社と海外の会社なら、さらに多くのズレが発生することになります。(積送品なんて呼ばれる概念、ここでは詳細は略)

そういった特殊要因についても、考慮が必要ということです。

 

ちなみに科目についても、一方は売掛金だけど、相手は未払費用に含まれているなんてこともあるので、これを合わせるのも一苦労です。

もちろん、1円単位で合致するのが理想ではありますが、消費税の差額等もあるので、ある程度の誤差は許してもらえます。

誰に?というと、監査をする監査法人(会計士)です。

そして差異がある場合は、どちらかを正として進めることになります。

例えば親会社Aの子会社Bに対する売掛金が500万円で、子会社Bの親会社Aに対する買掛金が490万円としましょう。

10万円の差額がありますが、差額が大きくないと判断して、どちらかを正として連結を作成します。

親と子であれば、親の数値を正とし、子会社同士なら、債権(売掛金など)を正とする場合が多いです。

つまり、A社の売掛金とB社の売掛金を足して、そこから500万円をマイナスするイメージです。(買掛金も2社を足して500万円でマイナスする)

 

債権債務を合わせることの面倒くささ

大量の子会社があって、グループ会社同士の取引があれば、確認すべき債権債務の組み合わせが増えていくことになります。

これが親と子だけの組み合わせならより簡単です。

親会社と子会社9社の合計10社の企業なら、9通りだけです。

これが子会社同士も見るので、最大で45通りです。(さらに債権と債務があるので2倍になって90通り)

もちろん、グループ会社間で全く取引がないこともあるので、あくまでも最大パターンが増えるということです。

 

それが海外の子会社なら、さらに考慮することが増えてしまいます。

そして、一番厄介なのは債権債務の確認は正解が見つからないことがあるということです。

私自身も経理をやっていて、3時間以上もPC上の明細を細かく確認して何度も唸って、結果分からなかったことがあります。

 

債権債務が1億円ズレていて、色んな要因を探して1,000万円の差額までは縮まったということがあったりします。

これだけ差額があって、監査法人に許して貰えるかは別問題なのですが、時間をかけても差額が埋まらないことがあるのです。

経理の仕事は、比較的時間をかければ答えが出る仕事が多いです。

例えば、財務諸表を作成することや、分析資料を作ること、監査法人の質問に答えることなど、時間があれば一定のアウトプットが出来るのです。

しかし、債権債務の確認は、時間を使っても、それが無駄骨を折ることになってしまうこともあります。

 

それを考えると、債権債務の確認は後回しにしたいところなのですが、連結の資料作成のために非常に重要な部分となっているのです。

 

ちなみに以前もレオパレスの紹介しましたが、上場会社で連結子会社が多いのはソニー(ソニーグループに改称?)で1,490社という異次元の数値です。

www.finance-accounting-value.com

海外の子会社の統合は難しいかもしれませんが、国内の会社で同様の事業を行っているのであれば子会社を統合して減らしてもらえると、経理としては楽になります。 

 

まとめ

本日はなぜ子会社が増えると、決算が煩雑になるかという話をしました。

まとめると、

  • 会社が1社だけなら、単体決算
  • 上場会社の8割以上が連結決算
  • 子会社の定義は法人かどうか、支店や駐在員事務所とは違う
  • 子会社が増えると集計作業と、債権債務の確認がメンドイ
  • 債権債務の確認は、経理には珍しく時間をかけても答えが出てこないこともある

経理の勝手な希望からすると、子会社は減らしてほしいという話でした。

子会社を設立することで、ポストを作りやすいというのはあると思います。

子会社でも社長を経験するのって、すごい経験です。

一方で、子会社のライバル意識みたいなものもあったりして、全体最適が進まないということもあるでしょう。

バランスが大事というのはいつでも語られることですが、敢えて逆から考えてみるのもいいのかもしれません。(子会社を増やすメリットを考えてみる) 

 


苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」

 

動画版です。

youtu.be

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。