2020年の早期退職で一番退職人数が多いのは、どこの会社?
本日は上場企業の2020年の早期(希望)退職募集をまとめてみます。
きっかけはコカ・コーラボトラーズジャパンホールディングスの10月5日のニュースです。
上場企業の2020年の早期退職ってどれくらいあるのか、そして人数と費用で言うと、どの会社が大きいのかなどを調べました。
社名、退職日、年齢(何歳以上の募集)、人数(確定のものはその人数)、費用(割増退職金など)を記載しています。
日経のニュースなどでは、東京商工リサーチ調べで41社あると書かれていますが、全ては確認できず、19社のみの紹介としています。
結論:19社の早期退職募集を紹介
コカ・コーラBJHのニュース
まずは簡単にコカ・コーラBJHのリリースを見てみましょう。
人数としては900名と非常に多いです。
さらに勤続1年という縛りだけで、20代でも応募可能に見える点が外資らしいと言えるでしょう。
従業員数は約17,000名なので、全体の約5%との削減となります。
この特別退職加算金などで、76億円の費用発生を見込んでいます。
もちろん、応募人員の増減によって、この金額も変わる可能性があります。
早期退職募集で鍵となるのは、下記になるでしょう。
- 退職日
- 年齢
- 人数
- 費用
1. ダイドーグループホールディングス
退職日:20年3月20日
年齢:53歳以上
人数:35名(予定50名)
費用(割増退職金など):2億円
2. ノーリツ
退職日:20年3月20日
年齢:45歳以上
人数:789名(予定600名)
費用(割増退職金など):80億円
3. ファミリーマート
退職日:20年3月末
年齢:40歳以上
人数:1,025名(予定800名)
費用(割増退職金など):150億円
4. 曙ブレーキ工業
退職日:20年4月末
年齢:40歳以上かつ勤続年数3年以上
人数:154名(予定200名)
費用(割増退職金など):8億円
5. 日本ケミコン
退職日:20年5月末
年齢:45歳以上
人数:157名(予定100名)
費用(割増退職金など):8億円
6. レナウン
退職日:20年6月25日
年齢:記載なし
人数:300名(予定)
費用(割増退職金など):未定
7. LIXILグループ
退職日:20年6月25日
年齢:50歳以上かつ勤続年数10年以上
人数:497名(予定定めず)
費用(割増退職金など):55億円
8. 味の素
退職日:20年6月末
年齢:50歳以上の基幹職
人数:144名(予定100名)
費用(割増退職金など):65億円
9. 第一商品
退職日:20年7月末
年齢:記載なし
人数:140名(予定100名)
費用(割増退職金など):3億円
10. HANATOUR JAPAN ハナツアージャパン
退職日:20年7月末
年齢:記載なし
人数:24名(予定30名)
費用(割増退職金など):750万円
11. ぱど
退職日:20年7月末
年齢:記載なし
人数:73名(予定70名)
費用(割増退職金など):記載なし
12. ラオックス
退職日:20年8月末
年齢:記載なし
人数:114名(予定250名)
費用(割増退職金など):0.6億円
13. レオパレス21
退職日:20年8月末
年齢:35歳以上
人数:1,067名(予定1,000名)
費用(割増退職金など):25億円
14. タチエス
退職日:20年9月末
年齢:45歳以上
人数:232名(予定250名)
費用(割増退職金など):23億円
15. サッポロホールディングス
退職日:20年11月20日
年齢:45歳以上かつ勤続年数10年以上
人数:51名(予定定めず)
費用(割増退職金など):記載なし
16. 河西工業
退職日:20年12月末
年齢:記載なし
人数:300名(予定)
費用(割増退職金など):未定
17. コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス
退職日:20年12月末
年齢:なし(勤続1年以上)
人数:900名(予定)
費用(割増退職金など):76億円
18. シチズン時計
退職日:20年12月末
年齢:なし
人数:550名(予定)
費用(割増退職金など):未定
19. 三菱自動車(報道のみ)
退職日:20年12月末以降?
年齢:?
人数:550名(予定)
費用(割増退職金など):?億円
結果の感想など
人数として一番多かったのは、レオパレス21で1,067人です。
約7,000名の従業員から1,067名なので、15%の人員の削減となっています。
もちろん、比率だけで判断するのは危険です。
レオパレスが事業を縮小するなら、その会社のサイズに応じた人員が必要だからです。
元々、早期退職募集は会社の判断で、退職を一時的に止めることが可能です。
例えば、1,000名の募集に対して、2,000名の応募なら、流石に会社として全員の退職を許可することはないでしょう。
費用が一番大きかったのは、ファミリーマートの150億円です。
人員としても1,025名とレオパレスに次ぎ2番目に多い数値でした。
ファミリーマートは人員が約14,000名となるので、7%の人員の削減です。
私の事前の予想とは異なり、会社側が最初に設定した早期退職人数を応募が下回るケースもありました。
感覚として大抵は上回るのかと思っていました。
例えば、ラオックスは250名を予定して、114名の応募と45%ほどでした。
半数も応募しなかったというのは珍しいケースでしょう。
最後に企業によって、リリースの細部が異なるということに気づきました。
年齢に関して条件を開示していない会社もありました。
恐らく、早期退職の条件として年齢は決めているでしょうから、それを公開しないということはあまりよろしくはないでしょう。
例えば、35歳の社員がその条件に当てはまるかは社内的には決まっているはずです。
それを公開しない会社だからこそ、こうして早期退職制度を使うような状況にあるということかもしれません。
まとめ
本日は、コカ・コーラボトラーズジャパンの早期退職のニュースを見て、2020年の上場企業の早期退職について19社分をまとめました。(ちなみにコカ・コーラボトラーズジャパンの900名は3番目に大きい数字でした)
人数で言えばレオパレスが一番多く、費用ベースならファミリーマートが一番という結果になりました。
もちろん、今年中にそれが更新される可能性はあります。
そして、会社によってリリースの違いや、応募率にも差があって、興味深いと感じました。
さらに増えたので、改めてこちらの記事で比較してみました。
www.finance-accounting-value.com
動画版です。
※ANAも希望退職を募るようです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。