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【1超円のコスト削減】経理が請求書を電子化すれば、こんなにお得を考える

【1超円のコスト削減】経理が請求書を電子化すれば、こんなにお得を考える

【1超円のコスト削減】経理が請求書を電子化すれば、こんなにお得を考える

紙の請求書からの卒業はいつになるのか、実は早いかも?

とあるニュースで、請求書の電子化普及で、コストも削減されるし経理の働き方改善にもなるというものがありました。

このニュースがなるほどと思ったので、経理マンが紙の請求書の手間がかかるポイントや、大企業の対応が遅れる理由について考えてみます。

プロジェクトとしてはこちら。

www.robotpayment.co.jp

ニュースは日経ビジネスのものです。

business.nikkei.com

請求書については最近、記事にしたものもあります。

www.finance-accounting-value.com

結論:紙の請求書は本当に手間がかかる、しかし大企業ほどスイッチングコストがある

日経ビジネスのニュースの要約

「日本の経理をもっと自由に」という約100社の企業からなるプロジェクトと関西大学の宮本勝浩名誉教授によって試算された数字は、約1兆1,424億円だった。

これは請求書発行を電子化した場合、どれだけのコスト削減効果が生まれるか。

内訳は紙の請求書の郵送費が年間5,913億円、請求書作成・発送業務に携わる人件費が同5,511億円だった。

経理で働く1,000人にアンケート、テレワークを実施できなかった人が約7割いた。

経理が出勤をしなければいけない理由で最も多かったのが、紙の請求書にまつわる業務。(2位:入金支払い、3位:経費精算)

日本で経理の仕事に従事する人は約208万人と試算される。

 

 

請求書の手間とは?

実際に経理業務を担当して思うことは、たしかに請求書には手間がかかるということです。

郵送費としてお金がかかる、例えば封筒代や切手代というのは、理解しやすいかと思います。

ここでは人件費について少しだけ補足します。

まず、請求書や手形を郵送する場合、明細を三つ折りにするという無駄な作業が発生します。

さらに会社の角印などを手で押印するなら、その手間も増えます。

そしてそれを封筒に封入して、ノリなどで封をする。

そして切手を貼って、場合によっては宛先も貼る必要があります。(窓付き封筒なら印字されたものをそのまま)

ニュースにもあったように、請求書そのもののデータ作成などもあります。

そう考えると、この部分の人件費は想像以上に手間がかかっていると理解して頂けたのではないでしょうか。

 

これが、一枚の請求書だけなら大したことはないでしょう。

請求とは取引と考えることが出来るので、商社などはより請求書の量が増えてしまい大量にあるのでより大変と言えるでしょう。

大量の請求書を作って、それを送付するための時間が意外とかかってしまうのです。

 

請求書には2種類ある

そもそも請求書には2種類あることになります。

①自社で発行する請求書

②他社から発行される請求書

順に解説します。

①自社で発行する請求書は、売上を構成する要素と言えます。

これを電子化することは恐らく容易でしょう。

紙でなければならない理由はないので、社印の角印を印字したPDFなどでメール送付すればいいとはなります。

もちろん、相手先が紙でも絶対に欲しいとなれば、PDFと紙どちらも用意というケースもあるでしょう。

それでも電子データだけで良い会社も多いでしょうから、その分については郵送費や人件費のコスト削減になると考えられます。

 

②他社から発行される請求書 

これは仕入れや費用関係の貰う請求書となります。

こちらは自社の意図が反映されるわけではないので、電子化が難しいでしょう。

なぜなら他社が発行しているに過ぎないからです。

相手から発行されるものを受け取るしかありません。

 

だからこそ、こういったプロジェクトでみんなで電子化を進めようということかもしれません。

相手からの請求の紙のままなら、テレワークにも移行出来ないでしょう。

 

手形電子化で思ったこと

私自身も経理マンとして、自社が発行する紙の手形を電子化しようという試みに少しだけ携わったことがあります。

印紙税や郵送費、そして手形発行の手間などがあるので、こちらとしては大賛成でした。(だからこそ進めている)

相手先からの反応も絶対に紙の手形じゃないと嫌だ、というのはありませんでした。

ただし、でんさいや電子手形というスタイルに移行する手続きが面倒という会社はあり、そういう会社は期日現金でという対応はありました。

電子化というのは、一部反対もあるが、先方も求めていることもあるということです。

 

一方で手形を受け取る方というのは、紙で受け取るしかありません。

取引先に紙の手形は嫌ですといっても、個別対応してもらえるケースは少ないでしょう。

ここで気になったのは、かなり大きい会社でも紙の手形を発行していたということです。

規模が大きければ大きいほど、手形の発行枚数が増えます。

その分だけコストがかかっているということです。(印紙、郵送費、人件費など)

それでも紙を続けるというのは、大企業ほどスイッチングコストが大きいと言えるのでしょう。

何かから別の何かに乗り換える手間が大きいので、非効率とは分かっていながらも続ける側面もあるということです。

恐らく大きい会社なら手形担当の経理までいるでしょうから、その人の仕事の割り振りをどうするかなどの話にもなるでしょう。

 

まとめ

本日は、経理請求書の電子化でコスト削減のニュースを紹介しました。

まとめると、下記になります。

  • 紙の請求書の郵送費と、請求書作成・送付にかかる人件費で合計1.1超円のコスト
  • 紙の請求書を送るまでの手間が、非常にかかる
  • 自社発行の請求書を電子化するのは楽
  • 他社から貰う請求書が課題
  • 電子化すれば相手も楽
  • 大企業は変化することによりコストがかかる

 

冒頭の1.1兆円という数字は、前提条件をいじれば、いくらでも青天井なのでしょう。

ただこれだけのコスト削減になって、削減出来た部分の人員はどうするのかというのは別の議論となるのだろうとは思いました。 

脱ハンコも進んで、生産性がより重視される時代なのでしょう。


詳説 電子帳簿保存法 実務のポイント

 

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。