とある日経の記事を見て、経理マンが思ったことをちょっとだけ。
Twitterで見かけた日経の記事の要約と、読んだ感想です。
該当の記事はこちらからどうぞ。
結論:この記事が言いたいことは、企業によって税負担率が違うという当たり前のことだけ
記事の要約
- 上場企業の税負担率に大きなバラつきがある
- 例えば電機業界で、日立製作所は36%に対し、ソニーは5%
- 2,025社の19年3月期の会計上の税負担率の中央値は31%と、5年前と比較すると約7ポイント低下、これは法人税減税の影響がある
- 大手企業の方が税負担は低い傾向
- 税務上の赤字である欠損金を抱えていると法人税を抑えられる
- 節税対策では、アップルやアルファベットなど「GAFA」と呼ばれる米IT大手4社は18年の税負担率を、前年比で平均10ポイント近く下げた
感想
結論がよく分からないです。
というより結論は分かるけど、言いたいことが分からないという感じです。
最初に、企業の税負担率が大きく異なるという表現になっていますが、これは当たり前です。
企業の税金が法人税と呼ばれますが、法人税の計算には様々なことを考慮しなければなりません。
会計上(PL)では費用になるけど、税務上(税金計算)では費用にならないものがあったり、○○補助金みたいな制度もあります。
この補助金というのは、特定の条件を満たしていれば、税金が少し安くなる(補助金として帰ってくる)というようなものです。
企業によって、該当するかどうかは異なるので、税負担率というのは違って当然です。
さらに、大抵の上場企業は子会社を持っており、連結というグループ会社の合計の数値を決算発表しています。(もちろん子会社が一切ない上場企業もあります)
子会社は海外にあることも多く、記事にはサウジアラビアやシンガポールでは税率が低いという記載もあります。(確かにシンガポールの法人税率は17%と日本の約30%と比べ低い)
つまり、海外の税率の低い会社との合算でもあるので、それぞれ企業の税負担率も当然異なるということです。
日本にしかグループ会社を持たない会社と、税率の低い海外にも子会社を持っている会社では、単純な比較は不可能です。
そもそも、税負担率は低いにこしたことはありません。
なぜなら、税前利益から税金(法人税)を差し引いたものが当期純利益であり、基本的には当期純利益が高い方が配当を増やせるからです。
もちろん、税金計算を不正な方法で低くしているなら問題ですが、合法の範囲内であればなるべく低くするべきです。
ということで、記事ではGAFAはさらに税負担率を下げているという文章の締めくくりになっています。
初めには、日本企業の税負担率にはバラつきがあることが分かったとありましたが、だから結局何なの?ということが分かりませんでした。
どこかの政党は消費税は上げるな、法人税率は下げるななんて主張していたりします。
またトヨタの内部留保を毎日使ったら、何千年かかるみたいな訳の分からない主張もしています。
いづれにせよ、会計リテラシーは社会人に必要だよなぁと思う今日この頃です。
ここまでお読みいただきありがとうございました。