たまたま簿記3級を持っていて、経理マンになった男が経理になるには何が必要かを考えます。
本日は、経理になりたい人や、経理に興味がある方向けに、経理になるための方法について語ります。
主に新卒の方向けですが、未経験で経理になりたい方にも参考になる内容だと思います。
結論:これから経理になりたい方は、資格を取ることをオススメします
経理になるきっかけは?
まず経理になるために、恐らく最も多いパターンは会社に入社して最初の配属が経理となるパターンです。
私が経理になったのもこのパターンでした。
私は大学時代に日商簿記の3級だけ取得していて、経理の要素はこれくらいでした。
大学の学部は経営学部の中の商学の分野で、マーケティングなどを勉強していました。(ちなみに他の分野として経営学と会計学があり、会計学が正に簿記みたいなイメージです)
私が入社したのはメーカーで、文系の同期は私含め4名いました。(1名は理系の学部卒)
結果、私が経理になり、他の3人は工場や営業の配属でした。
なぜ文系なのに工場と思われるかもしれませんが、工場に配属は一定期間でその後、営業に異動していました。
確か、営業に配属になった同期も簿記の3級を持っていたような気もしますが、その同期は明らかに営業向きのメンタルという感じでした。
そこで私は3年間働いたわけですが、経理部での後輩は入社しませんでした。
このように年によっては経理に人が入らないという場合もあります。
会社の規模が大きいなら、毎年経理部に新入社員が入るのかもしれません。
ちなみに、私が経理に配属になった4月、経理部の2名が別の部署に異動していました。
つまり、経理の人員が△1だったということです。
しかも新入社員ということで、そのせいか残業もたくさんすることとなりました。(優秀な2名を減らして、新入社員を1名だけ入れるのは、今考えてもう~んという感じです)
どうすれば経理になれるのか
私の入った会社では入社前などに、配属の希望を出すという仕組みはなかった気がします。
あったとしても経理とは希望を出していないと思います。
正直、経理が何をしているかを全く理解していませんでした。
ここからは人事などの立場に立って、どんな人を経理に行かせたいかという視点で考えてみます。
ここでまず考えられるのが経理の特殊性と、営業の万能性です。
学生時代に力を入れたことは?と訊かれれば、アルバイトやサークル、ゼミなどがあります。
営業をやりたいエピソードを作るのは簡単ですが、経理のエピソードを作るのが難しいです。
例えば、私は家庭教師のアルバイトをしていました。
アルバイトの実績としては、教えていた学生の学力が向上したというものがあるでしょう。
これを、営業の志望理由にすることは出来ます。
目標を決めてそのために努力した、だから御社でも営業がしたいみたいな流れです。
しかし経理に結びつけるのはやや難しいです。
コンビニのアルバイトでも同様でしょう。
コンビニのレジに立って、季節のキャンペーンでお客様に提案をして買ってもらったなど営業っぽいエピソードは作りやすいです。
コンビニならレジのお金が狂っていなかったというのが経理とも言えるかもしれませんが、これがアピールになるのかは微妙でしょう。(出来ているのが当たり前で、営業のように量で勝負が出来ない)
まとめると、営業というのは普遍性を持っている(何にでも使える)と言えるでしょう。
何かを提案するとか、説明して納得してもらうなど、私達は営業的なアクションを行っていることが多いです。(自分を売り込むという表現もあります)
このように営業を志望する理由はあちこちにあるのですが、経理を志望する理由はすぐには見つからないことが多いのではないでしょか。
経理への興味を示すのに簡単なのは資格
こう考えれば、経理の志望理由は資格と絡めるのが早いということです。
企業側としても、経理適正を調べる際に使うのは簿記などの資格ではないでしょうか。
性格の部分などは適性検査などを通じて調べれば分かります。
例えば、経理に向いているのはコツコツと継続して続ける根気だったり、周りの人と連携して課題を解決する協調性などがあるでしょう。
この資格という論点は転職の場合でも同様で、未経験で経理やりたいですなら、資格を持っていないと経理が出来そうというアピールが薄いということです。
当然、日商簿記が全てではありませんが、今は日商簿記を取得しない意味はありません。
私が経理担当を探す場合でも、まずは簿記の有無は確認するポイントです。
では、日商簿記はどこまで取得するのかです。(全経簿記はここでは無視します)
3級:これが最低ライン、これがないと戦えない
2級:あれば安心というライン、勉強を頑張ったという証明になる
1級:これがあって、経理関係の部門に配属しないのはおかしいレベル
ということで、まずは2級の取得が一つのラインだと思います。
2級まで取得出来れば、一安心でしょう。
入社して最初は営業だったけど、経理に配属になるパターンも2級以上持っていれば発生しやすくなるでしょう。
簿記の勉強はつまらない
夢を壊すようで申し訳ありませんが、簿記の勉強に面白さはないと感じる人が多いと思います。
私も大学時代に2回も日商簿記3級に落ちて、ようやく合格したのですが、特に喜びもありませんでした。
簿記を勉強しても、何かが出来るような気にはなりませんでした。
そもそも借方と貸方という理解しにくい概念が、初心者にとってハードルではないでしょうか。
そして残念ながら、日商簿記の問題と経理の現場はほぼリンクしていません。
簿記では本支店会計や試算表といった問題がありますが、これもただの試験のための問題といった感じです。
試算表を作るために、電卓叩いて、修正仕訳を紙上で入れて、どの時代の経理がこんなことやってんのかなぁと笑いそうになるレベルです。
これは仕方がない側面もあります。
それは日本では、経理になるための資格は日商簿記という資格信仰論があるようなものだからです。
採用を担当する人もたいていは、自分達より年上で、資格という目に見えるものが大好きなのです。
そして資格間の競争力もあります。
今は日商簿記がダントツなので、資格の主催者の商工会議所もあぐらをかいているような状態でしょう。
もし正当な競争があるなら、今すぐ時代遅れな試算表の問題なんて廃止されると思います。(連結の問題を作ったのは良いこと)
資格を割り切って取ろう
つまり、割り切って資格取得を頑張ろうとなります。
恐らく日商簿記の取得は、経理の実務では役に立たない可能性が高いですが、これぐらいしか経理になりたいをアピール出来るものが少ないのです。
日本にはこれがないと出来ないその仕事が出来ないという資格もあります。
例えば、公認会計士や税理士、弁護士などがあります。
しかし、経理というのは日商簿記がなくても仕事が出来ます。
その分だけ選択の自由があり、未経験でも挑戦できるフィールドでもあります。
ただ、その日商簿記が今は大事にされているので、これを利用してみてはという話でした。
スッキリわかる 日商簿記3級 第11版 [テキスト&問題集] (スッキリわかるシリーズ)
ここまでお読みいただきありがとうございました。