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【書籍】失敗の科学(マシュー・サイド著)が面白かったので紹介

【書籍】失敗の科学(マシュー・サイド著)が面白かったので紹介

【書籍】失敗の科学(マシュー・サイド著)が面白かったので紹介

めちゃくちゃ面白くて、共感出来る内容だったので、オススメです。

先日、とあるところで紹介されていた本(失敗の科学)を読みました。 

これが非常に面白かったので紹介します。

失敗の科学と似たようなタイトルの本として、失敗の本質があります。

失敗の本質は読んだことはありませんが、こちらは日本軍の戦争での失敗を取り上げているのに対し、失敗の科学ではより身近なテーマになっています。

結論:システムとマインドセットが大事

失敗の科学 (マシュー・サイド著、有枝春訳)

今回紹介するのは、ディスカヴァー・トゥエンティワンの失敗の科学です。 


失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

ちなみに原題は、Black Box Thinkingです。

ページ数としては約330ページあるのですが、事例が多く、サクサクと読めます。

失敗から何を学ぶかということがテーマです。

以下、要約です。

 

第1章:失敗のマネジメント

とある医師のミスと、航空機のミスを紹介

医師はミスを隠す傾向にあるが、正直に告白した方が訴えられるリスクが減るというデータがある

悪循環がクローズド・ループ

航空業界ではミスを全て開示し、ミスから学ぶ

ミスは集中し過ぎるところから起きてしまうこともある

また、上下関係の構造によって失敗が起きる(上司に強く言えない)

例:爆撃機の弾痕の話

失敗から学ぶ(学ばなければ、いつか同じことが起きる)

あらゆるものが当てはまる⇔何からも学べない

フィードバックすることが、失敗のマネジメントで重要

 

第2章:人はウソを隠すのではなく信じ込む

人はなぜ失敗から学ぶことが困難なのか

矛盾に対しての解決策

①間違いを認める(これは難しい)

②否定、自分の都合のいい解釈をする

今までの苦労があるから、間違いを認めることができない(認知的不協和)

自尊心が学びを妨げる

株式の気質効果と同じ、損を確定したくない心理

あえて間違えることも大事、記憶も編集されてしまう

 

第3章:「単純化の罠」から脱出せよ

失敗から学ぶために大事なのはシステムとマインドセット

完璧主義には罠がひそんでいる

質よりも量である、まずは始めてみる(リーンスタートアップ)

スケアード・ストレート・プログラムの例

反事実(そうしなかった場合のケース)は目に見えないから注意

ランダム化比較試験(RCT)が有効

「分かっているつもりのこと」と「本当に分かっていること」の違いは大きい

 

第4章:難問はまず切り刻め

分かったつもり⇔マージナル・ゲイン(小さな成功)

成功はどれだけ効率のいい最適化ループを作れるか

googleもRCTを何回も繰り返した

小林尊の例(ホットドッグ早食いのチャンピオン、ゼロベース思考)

 

第5章:「犯人探し」バイアスとの闘い

非難というプレッシャー

悪いのは会社ではなく、一部の社員だと会社は主張したい(もちろん、この考えは間違っている)

責任を課すことと、(不当に)非難することは全く別

処遇を判断する立場の人間を、スタッフは信用しているかが大事(こうなっていないケースが多く、その場合ミスは隠蔽され、組織は成長しない)

人は、一番単純で一番直感的な結論を選ぶという傾向がある

危険なプロジェクトの6段階

1.期待

2.幻滅

3.パニック

4.犯人探し

5.無実な人を処罰

6.無関係な人を報奨

 

能力不足や職務怠慢といった早計な非難はやめるべき

懲罰志向なら誰かをスケープゴートにしないと、自分が損をする構造なので危険

ミスを開示する航空業界でもそういうケースがある

つまり、相当な努力と覚悟が必要

 

第6章:究極の成果をもたらすマインドセット

イングランドの著名なサッカー選手デビッド・ベッカムの例。

失敗の受け止め方が大事

GRIT(やり抜く力)が強い人ほど、失敗から学べる

日本は企業失敗に対する恐怖心が最も高いというデータがある

 

終章:失敗と人類の進化

事前検死という、最初に大失敗したというケースから失敗理由を考えるという試みがある

 

感想

とにかく納得できる内容でした。

株式の気質効果など、知っている内容もありましたが、サクサクと読めて、最近読んだ中ではトップクラスに面白かったです。

気になる点としては、事例がかなり多く、少し冗長になっている

具体的な解決策がバシッと書いているわけではないなどがあるかと思います。

また海外の方が書かれていることもあるのか、ちょくちょく話が色々な方向に行っているような感じです。

それを差し引いても間違いなく、参考になります。

会社などでも、ミスを共有する思考はないような気がして、これではミスから学べていないなぁと思ってしまいます。

政治やSNSの主張でもそうですが、あるAという考え方に固執すればするほど、それが間違いだった時に間違いを認めにくくなります。

これは人間の心理なので、これをどう乗り越えるかがポイントなのだと思います。

正に「恥じゃない」ですね。


恥じゃない

 

本当にいい本だと思いました!

失敗の科学 失敗から学習する組織、学習できない組織

 

※断捨離するので少し追記

「すでに自分で正しい答えが分かっている失敗」と「答えが分からない失敗」があり、どちらも大事

我々は世界を「単純化」しすぎる

判断を誤る理由は、データの欠如だけではなく、講釈の誤りもある

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。