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経理マンが考える、典型的な粉飾決算のテクニックとその背景とは?

典型的な粉飾決算のテクニックとその背景

経理マンが考える、典型的な粉飾決算のテクニックとその背景とは?

粉飾決算という言葉がありますが、どのような形で行われるかとその背景を、粉飾決算とは無縁の経理マンが紹介します。

粉飾決算とは何かというと、会社が不正な会計処理を行い、内容虚偽の財務諸表を作成し、収支を偽装して行われる虚偽の決算報告を指します。

要するに、事実とは異なる財務諸表を出すということです。

基本的には、売上や利益を意図的に過大に見せるようにすることが多いです。

これについては後述します。

最近では、東証一部の企業の粉飾決算の疑いでニュースにもなりました。

www.sankei.com

 

①粉飾決算はどうやってやるか

まず、粉飾決算で売上と利益を過大にするという前提で話を進めます。

どうやって売上と利益を増やすかというと、架空の売上を計上するケースが多いです。

実際に架空の売上を計上すると、下記の問題が起きます。

  • 架空の売掛金ができる
  • 架空の在庫ができる
  • 架空の買掛金ができる

売上の仕訳は下記のようになります。(簡便的に説明するため、消費税は無視します。)

売掛金(借方)/売上(貸方)100,000,000 

売上原価(借方)/買掛金(貸方)50,000,000

これでPL上は売上が1億円、利益が5,000万円増えることになります。

 

②このような粉飾決算が起こってしまう背景とは?

そもそも、このような粉飾決算が起こる背景について説明します。

ちょくちょく粉飾決算がニュースになるのは、そこにインセンティブがあるからです。

どのようなインセンティブかと言うと、利益を良く見せることでメリットがあります。

上場している会社であれば、株価も下がらないでしょうし、銀行からの借り入れにも有利に働きます。

基本的に、売上や利益が大きすぎて困るということはありません。

つまり良く見せようとすることで、メリットがあるということです。

 

③そもそも何でバレるのか

架空なのでバレるというのが結論です。

架空の売掛金は、永遠に入金されません。

会計監査の手法として、残高確認という作業があります。

外部の監査法人が取引先に対して、「監査している会社は、あなたの会社に対して、100万円の残高がある」と言ってますが、合ってますか?という質問をします。

それがもしも粉飾している会社なら、売掛金の残高(取引先にとっては買掛金)が少なく返答されるはずです。

そうなると、これは本当の売上ですか?という話になります。

在庫に関しても、在庫証明という書類等で確認するので、どこかでボロが出てしまうということになります。

 

④粉飾決算は国税局にとってはおいしい話

利益を過大に見せるということは、その分だけ税金(法人税)を多く納めることになります。

これは税金を貰う立場である国税局からすると、大歓迎です。

国税局の仕事は、企業から1円でも多く税金を納めてもらうことなので、税務的には問題にならないことがあります。

監査法人は、上場企業の決算書のチェックを主にしています。

上場会社ですので、間違った決算書を基に株の売買が行われれば、ステークホルダーに損害を与えることになります。

つまり、粉飾決算は会計的にはNGだけど、税務的には逆にOKという話です。

 

逆の話で脱税という言葉がありますが、これは費用などを過大に計上にして、税金を少なくしようとする行為を指します。

これには、企業には税金をたくさん納めてほしい国税局が怒ります。

 

まとめ

以上が、粉飾決算に関わる手法や背景の話です。

  • テクニックとしては架空の売上がある
  • 背景としては、利益を良く見せることにインセンティブがある
  • ただし、架空のものなのでどこかでボロが出てしまう
  • 会計的にはNGだが、税務の視点ではそうでもない
  • 脱税との違いを理解しておく

ここまで理解しておけば、ちょっとだけ「こいつ、知ってるな」と思われるかもしれません笑

近年はコンプライアンスの重視や、企業の独立性(社長が独断でなんでも決めるのはNG)が求められているので、粉飾決算も少なくなっていくとは思います。

粉飾決算をしようとすると、AIが察知して勝手にアラートを出す時代になるのかもしれません。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。