投資の本ではありますが、財務諸表の勉強にもなる本を紹介します。
本日は株式投資のための本を紹介します。
と言っても、自分はこの本を読んで、投資をしようという気になったわけではありません。
なんとなく買った本なのですが、新しい視点で書かれていたので紹介します。
結論:営業費用売上比率は高いほど良い
本の要約と感想
この本の筆者は、山本潤氏と皆木和義氏です。
前半部分では、元ファンドマネージャーの山本潤氏による営業費用売上比率を使った分析手法が書いてあります。
後半部分では皆木和義氏による、ビジネスモデルなどの企業分析が書いてあります。
オススメは前半部分です。
要約
倒産する企業には3つの特徴がある
①自己資本比率が低い
②営業費用売上比率が低い
③法律の改正の影響を受ける、社会的に問題のあるビジネスをしている
「成長企業」は以下の条件を満たす
①営業費用売上比率が1.15倍以上(売上から営業利益を差し引いたものが営業費用)
②提供する商品・サービスが永続的 or 今後数年間は増収基調
「多段階配当モデル」に着目し、以下の条件をチェック
①配当性向5割以上
②直近4期連続増収
③中期経営計画がある
④永続性と数量見通しが良好
後半部分
収益を生み出す源泉は以下の3つ
①経営者
②経営戦略
③ビジネスモデル
3人の経営者の考えを参考にする
①永守重信
②孫正義
③稲盛和夫
そのほか、PPMやバリューチェーンなどなど。
感想
株式投資の本は何冊か読んだことがありますが、一番しっくりきたような気がします。
要は、この本の考え方は、配当での利益を重視する考え方です。
配当性向や成長性を考え、頻繁に株価をチェックする必要もないと述べています。
もちろん、この本の通りにやって、成功するかはまた別なのでしょうが。
注意点として株式投資本には、手法が書いてあって、この手法でやったらこんなにパフォーマンスが良くなりました!というパターンが多いです。
ただし、そういったケースでは儲かったものだけ紹介して、そうでないものは紹介しないケースが多いです。
この本には、ファンドマネージャーだった頃は、この考え方のおかげでパフォーマンスが良かったとは書いてありますが、個別の銘柄についてはパフォーマンスについては、特に記載がありません。
ただし、こうやって計算しますとは書いてあるので、参考にはできると思います。
後半部分の経営者マインドみたいな部分は、あまり自分にとっては参考になりませんでした。
ただ、永守重信氏の「能力の差は5倍でも、意識の差は100倍まで広がる」というフレーズはいいと思いました。
結局は能力ではなくて、意識の差が結果を左右するという考え方だと思うのですが、その通りだよなぁと感じました。
投資本としてではなく、財務諸表の理解や経営者のフレーズを学ぶという視点でいい本だなぁと思います。
絶対にこの方法で儲かるという手法はないと思っているので、そういう意識はなくして、読み物として読むのがいいのかなぁと。
ここまでお読みいただきありがとうございました。