新卒で入った会社で消込という言葉を覚えた経理マンが、解説します。
初めて経理に配属になって、知らなかった言葉が消込という言葉です。
他にも知らなかった言葉は山程ありますが、知ってみると当たり前じゃんというのが消込という言葉だと思います。
本日は、そんな消込という言葉について解説してみます。
経理だけでなく営業の方でも、知っておいて損はない言葉です。
※動画も撮影しました、記事の一番最後にあります。
結論:計上とセットなのが消込、残高を見ると分かりやすい
売掛金・受取手形の消込とは
消込という言葉の意味としては、売掛金などの債権、買掛金などの債務の残高を消すという意味です。
企業間の取引は掛けで行われることが多いです。
掛けというのは、後で回収や支払をするという意味です。
まずは掛けがない場合を考えてみましょう。
現金商売なら、仕訳はシンプルで、100円の売上ならこうなります。
現金(借方)110円/売上(貸方)100円
仮受消費税(貸方)10円
一方、掛けを使うならこうなります。
売掛金(借方)110円/売上(貸方)100円
仮受消費税(貸方)10円
話は簡単で、現金ではなく、売掛金といういつか回収されるものになっています。
売掛金にはサイトというものがあり、例えば売上から30日後に回収するならサイトは30日ということになります。
そして実際に代金を回収した際の仕訳はこちらです。
現金(借方)110円/売掛金(貸方)110円
これで売掛金をマイナスしていることになりますが、これが消込です。
つまり売掛金はクッションのようなもので、一段回踏んでから現金へと変わるわけです。
これは手形で売上を回収する場合も同じです。
まず、受取手形の仕訳を切って、回収して手形を現金化したら受取手形を消し込むのです。
よくある営業と経理の対立として、債権の回収の問題があります。
営業はとにかく物を売りたいので、どんな取引先でも売上を上げようとします。
このことが悪いわけではありませんが、回収するまでが売上なのです。
売上を立てれば、売掛金が溜まるわけですが、回収出来なければ意味がありません。
そのために経理は、取引先の回収可能性を考えるわけです。
経理は絶対に回収したいので、辛目に回収可能性を考え、営業はもっと売れると主張し、経理はこの額までしか売れないと主張するわけです。
私自身の失敗談を話すと、とある時受取手形の残高がなぜかマイナスになっていました。
資産のマイナスだから、負債の増加ですか?と何も考えずに上司に言うと、ちゃんと考えろと叱られました。
そして上司に、手形はどうなるのかと訊かれ全然答えられませんでした。
ものすごく当たり前のことですが、手形は期日になったら現金化が可能です。(厳密には割引といって、期日前でも現金化はできます)
結局、消込の仕訳が入っていなかったので、そうなっていたと記憶していますが、その時に上司に、経理の流れみたいな本を読めと言われました。
確か、その時に買ったのがこの本です。
本は読んだものの、恥ずかしながらきちんとは理解出来ていませんでした。
結局、転職することになって、転職した会社で業務を進めている内に、ようやく消込の意味を理解しました。(本当に恥ずかしい話ですが笑)
結局のところ、消込がないと残高がそのままになってしまうのです。
本当に入金がなければ、残高がそのままでこれは未回収ということになります。
反対に間違えて消込をしてしまったり、二重に貰うと、売掛金がマイナスになってしまいます。
だから、残高という考え方をすれば、もっとスムーズに理解できたのかなぁと思います。
今の知識で、新卒の状態に戻りたいなんて考えてしまう経理マンでした。
ここまでお読みいただきありがとうございました。