みずほ銀行の新たに口座作る人に、紙の通帳発行で1,100円の手数料を取るというニュースを考えます。
みずほ銀行の英断について経理マンが語ります。
このニュースがTwitterなどで話題になっています。
色んな意見はあって然るべきで、反対意見もあるようです。
私は、みずほ銀行を支持する立場で意見を書きます。(ちなみに、みずほの口座は開設して、ほぼ使っていません)
結論:みずほ銀行の決断は素晴らしい
みずほの新ルール
これは2021年の1月18日からスタートする仕組みです。
一部NHKのニュースより引用
- 新規で紙の通帳を発行する人は1,100円を払う
- 通帳の繰越にも1,100円が発生する
- ただし70歳以上の人は無料
- 既に口座を持っている人も無料
つまり、どうしてもみずほ銀行で紙の通帳が無料で欲しければ、2021年1月17日までに作っておけば繰越してもお金はかかりません。(今の所)
ウェブ通帳は、今までは過去3ヶ月分までしか確認が出来ませんでした。
これからは、なんと過去10年分を遡って確認が出来るようです。
これは大きなメリットと言えるでしょう。
さらに合わせて、手形と当座小切手も値上げを発表しています。
約束手形の用紙は税込みで1冊3,300円→1万1,000円、当座小切手は1冊2,200円→1万1,000円に値上げします。
なぜ値上げするのか
値上げや有料化の背景にあるのが印紙税です。
紙の通帳を1冊発行することで、印紙が200円必要になります。
これは負担しているのは銀行側です。
みずほ銀行は2,400万口座があるそうで、 これを単純計算すると48億円というのがNHKニュースに書いてあります。
ただし、新規発行と繰越のみに発生するで、最大値でというイメージでしょうか。
仮に100万冊発行や繰越が、年に発生すると仮定すると年間で2億円のコストとなります。
このどちらが印紙税を負担するかというのは、銀行であるべきだと思います。(利用者である個人は負担するべきではない)
例えば、経理の現場でも紙で手形発行をすると、印紙を発行者が貼る必要があります。
手形を受取る側に、印紙を負担して下さいというケースは少ないはずです。
これが電子手形だと印紙が不要になります。
通帳も同じ仕組みで、印紙は発行する側が負担すべきということです。
電子化の流れ
今後、ペーパーレス化(電子化)がどんどん進むでしょう。
こうなると印紙税法が時代に即していないとすら思います。
紙の通帳でも、ウェブ通帳でも役割は同じなのに、紙なら余計にコストがかかる。
電子化を進めるために、印紙税が存在しているのかもしれません。
同様の流れは、先程述べた手形も同じです。
紙の手形なら、手形の額面の金額に応じて印紙税が増減します。
印紙の節約のために、手形を何枚かに分けるというテクニックすらあります。
これを電子化すれば、印紙は一切かかりません。
ただし、大きな企業でも紙の手形を未だに使っているケースがあります。
契約書も同様です。
紙の契約書なら、何号文書に該当するから印紙が必要となります。
これを電子化すれば、印紙不要です。
契約書の場合は双方で契約書を保管するため、印紙税がどちらにも発生します。
片方が電子契約でとお願いしても、もう片方が承知しないければ、払いたくない印紙を払うハメになってしまいます。
経理の監査などでも、通帳があるなら、通帳のコピーを下さいなどと会計士からお願いされます。
いちいちコピーするのは面倒です。
画面コピーでいいなら、画面コピーで済ませたいです。
画面は修正が出来ると言うなら、アカウント貸すから勝手に見てと言いたい笑
いづれにせよ、ペーパーレス化の流れには逆らえません。
みずほ銀行がこのような判断をしたことで、少し前進したと言えるでしょう。
当然、紙がいい人もいるでしょう。
紙が良ければ、少しだけお金を払うということです。(もしくはみずほを使わない)
なぜネガティブな反応が?
Twitterなどではネガティブな反応の方が目立ちました。
例えば、これからはみずほ使わないとか、紙じゃないと困るとか、銀行はこんなことすべきじゃないなどなど、色々な意見がありました。
これを見て思い出したのがレジ袋有料化です。
やっぱり無料だったものが、有料になるということに反発したくなる気持ちが生まれるのかなと感じました。
銀行も営利企業なので、少しでも印紙税というコストは減らしたいでしょう。
コスト削減が競争力となり、新たなサービスの源泉となるとも言えます。
使いたくない人は使わないでいいかなと思います。
私はみずほFGの株主ではありません。
しかし、自分が株主なら、この決断には拍手をします。
これからは非効率なやり方にお金を請求する時代
今後、この流れは他の銀行にも波及するでしょう。
今回のように、非効率な選択肢には別途、コストを負担してもらうというのが主流になるのではと考えます。
紙の通帳よりも、電子の通帳の方が利便性が高いです。
新しいことに慣れるのが嫌という方は、別途コストを負担すればいいと思います。
電子化にメリットを与えるか、それをしない人に手数料を払わせるかです。
web通帳に切り替えたらポイントプレゼントみたいな特典を与える手法と、古い方を使うならコスト払ってねという違いです。
とあるカード会社も、これから紙で利用明細が欲しい人は80円払ってねみたいなことをしていました。(webなら無料)
お金を払いたくなければ、別の銀行(会社)を利用してというスタンスがしばらくは続くのかなとイメージします。
そして、紙の利用者が少なくなった後は紙は対応しませんという流れになりそうです。
何でもとりあえず試すというマインドがより重要になるのかもしれません。
みずほと言えば、みずほダンスが好きでした。
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ここまでお読みいただきありがとうございました。