失敗から何かを学ぶ、失敗こそ財産であるとカッコつけてみる
本日は若手経理マン時代の失敗談を3つ語ります。
その中でも、会計士や監査法人との対応での失敗や苦労について経験をお話します。
あの時は、こうすれば良かったと後から振り返ることはたくさんあり、それが読者の皆さんの役に立てば嬉しいです。
私は、経理マンとして新卒の会社から3社経験しました。
その中で、会計士の先生と接する機会は多く、そこで失敗することも多かったです。
是非、経理とは関係のない部署の方やこれから社会人になる方も「こんな失敗があるのか」と軽い気持ちで見て頂ければと思います。
結論:説明力、優先度、仕組み化がポイント
失敗や苦労①自分の説明が相手に伝わらない
まずは自分の説明力が低いことを実感したという話です。
若手の場合、会計士の先生から質問を受けることは多いです。
ある種、会計士としても相手が若手なら質問しやすいという側面はあるでしょう。
わざわざ、クライアントの課長や部長に訊くような質問でないと思えば、若手の経理を選ぶでしょう。
こんなフレーズで質問されることが多かったです。
「知っていたら教えてほしいんですが~、この会計処理で何でこうやっているんですか?」
しかしながら、色々な質問をされて、こちらが一生懸命説明をしても伝わらないということがありました。
これには2種類のケースがあると思います。
まずは自分がよく知っているのに、相手に伝えることが出来ないです。
これが一番苦しいのですが、これは経験によって克服出来るはずです。
社会人になり経理になって初めて、会計士相手に何かを説明するということを経験します。
やはり初めてのことなら、習得に時間がかかるのが当たり前です。
私の場合は、日商簿記の3級を持っていただけで、経理実務は全く知りませんでした。
しかし、少しずつ経理の全体像が見えてくれば、説明も上手くなります。
社会人4年目くらいから、「なぜ会計士の先生がこの質問をするのか」というポイントが理解出来てきました。
そうなると、相手が説明してほしいポイントはここだ!という感覚で話せるので、自分の説明が伝わらないことが格段に減りました。
つまり、会計士の質問の意図が分からない場合は確認すれば、自分の説明の注力すべきポイントが分かるということです。
これは会計士に限らず、何か質問をされて、自分が答える際に重要なポイントです。
もう一つのパターンは、自分が完全に理解出来ていない場合です。
これは当たり前ですが、自分でも理解出来ていなければ、相手を納得させることは難しいです。
何となくで理解していることをいざ説明するとなると、非常に言語化することが困難で伝わる説明になりにくいです。
ここで若手経理と会計士の関係を見てみましょう。
若手経理は経理知識はあまりないですが、会社のことは多少知っています。
一方で会計士の先生は経理や会計の知識が豊富ですが、クライアントの会社のことはそこまでは理解していません。
この関係で質問して答えるということになるので、伝わらないということにも繋がるのでしょう。
このパターンは質問をされたら少し時間を貰うことが良いと思います。
自分自身の知識や思考を整理して答えないと、結果的にお互いの時間のムダになってしまうことがあります。
そして分からなければ、先輩や上司に確認することも大切です。
私がよく経験したのは会計システムに関することです。
例えば、この仕訳が自動で起きるタイミングっていつですか?なんて訊かれたりもします。
その場合ならシステム部門(情報システム部)などに確認することも多かったです。
失敗や苦労②ベターとマストを確認しない
次が意外と大切なベターとマストどちらなのかを確認しないということです。
ベター(better)とはこうした方が良いで、マスト(must)とは必ずこうして下さいです。
会計士の先生は会計に詳しいので、この会計処理が理論的には正しいはずという観点で提案などをされます。
しかし、それは必ずこうしなければならないマストではないこともあるということを忘れないようにしましょう。
自分の失敗談としては、会計士の先生から「これは~の処理が正しいと思うんですが」と言われます。
それをそのまま上司に確認すると「これって絶対こうしないといけないって会計士は言ってる?」と言われもう一度会計士に確認するという流れがありました。
基本的に、若手の経理なら、自分だけで物事を決める裁量はありません。
上司に伝えて判断を仰ぐ際には、会計士がマストの意味で言っているのかということが大事になります。
マストなら、必ずなので、後はタイミングを決める必要も出てきます。
一方、ベターレベルだったら、今までのままということもあるでしょうし、別の代替案を採用する可能性もあります。
ここで注意したいのは、会計士の先生はベターとマストどちらかと質問しないと、自分からはあまり言わないということです。
何故かというと、一つには理論的には正しいのはこっちという結論があるので、気持ちとしては大抵がマストだからです。
気持ちは必ずやってほしいけど、譲歩する形で今回は諦めるというパターンが多いことは知っておくと損はしないでしょう。
優先度を考え動かないと、時間が足りなくなります。
失敗や苦労③雑務が多い
これは失敗談ではなく苦労として紹介します。
若手経理は雑務がたくさんあります。
監査対応で言うと、この資料コピーを貰えますか?とか、PDFにしてメールして貰えませんか?が多いです。
例えば、~に関する契約書を見せて下さい→なるほど、ではこの部分だけコピー下さいなんて流れです。
監査部屋にコピー機が置いてあれば、勝手にやってもらえるわけですが、そうでない会社の方が多いのではないでしょうか。
他にも取締役会の議事録を確認させて下さいもよくあります。
役員会の議事録は大事に保管されていることが多く、わざわざ別の部署などから借りて持っていくのが面倒だったことを覚えています。
こういったことで忙殺され、仕事がほとんど進まないという失敗もありました。
ただし、少しずつこういった雑務も電子化されていくと思われます。
例えば、共有フォルダみたいなところにPDFが共有され、勝手に見て下さいスタイルになっていくでしょう。
監査においてはクライアントの会社側の資料がないと進まないということがほとんどなので、若手経理が細々と動くことが多いです。
会計監査のリモート化もこれから増えていく流れになるのだと思います。
雑務においても、なるべく自分の時間を消費して解決するのではなく、仕組み化で対応出来ないかという視点が大事だと思います。
まとめ
本日は若手経理マンの失敗や苦労として3つ紹介しました。
まとめると、
①自分の説明が相手の会計士に伝わらない
これには、自分の理解が充分のケースと、自分があまり理解出来ていないケースがある。
自分が理解出来ていて伝わらないのは、相手の質問の意図を理解出来ていない可能性がある
自分が理解出来ていない時は、しっかりと考えたり、知っている社内の人に質問する方が良い場合が多い。
②ベターとマストを区別しない
これは絶対に必要なのかをまず確認すべき。
ただし、会計士としては基本的にマストと思っていると考えて良い。
常にマストではないので、優先度を考えて動くのが効率的。
③若手経理は雑務が多い
コピーやPDF化、議事録などの雑務がある。
雑務も仕組み化で、自分の時間だけ消費しないよう考えて動く。
これを知っておけば、経理業務の監査対応が効率的になるはずです。
参考になれば本当に嬉しいです!
ここまでお読みいただきありがとうございました。