素材メーカー(ガラス・セメント・製紙・鉄鋼・非鉄・石油)でエントリーすべき会社
本日は、化学メーカー以外の素材メーカーと呼ばれる会社で、働きやすいホワイト企業を探します。
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化学メーカーでホワイト企業ならこちら
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今回も就職四季報総合版から、ガラス・セメント・製紙・鉄鋼・非鉄・石油など素材メーカーとして紹介される会社47社を選出しました。
全て上場会社で、この中から働きやすいホワイト企業を探すという趣旨です。
就活時だけでなく、転職時にも役立つと思います。
是非、最後までご覧下さい。
結論:素材メーカーもホワイトが多い
今回のルール
まず素材メーカーとして47社を就職四季報総合版から抽出します。
今回は4つの項目で判定をします。
この項目の上位の会社にポイントを与え、合計ポイントが多い会社が働きやすい会社であるとします。
最初の項目のみ就職四季報で調べ、その他の3つは直近の有報(有価証券報告書)から抜粋しています。
いつものことながら、HD(ホールディングス)の会社は給与の数字が高くなりますが、そのままの数値を用います。
①有給取得年平均
有給が取得しやすい会社が優秀とします。
前回は残業時間も入れていましたが、残業はすればお金が貰えるという点がありますが、有給は繰越が2年しか出来ず、使わないとなくなります。
有給は20日与えられて10日使われるのが、日本全体の大体の平均です。
この項目のみ四季報から抽出します。
47社の平均は14.5日で、上位の15社の16日以上取得の会社に2ポイント、それに続く13.6日以上の会社に1ポイントを加えます。
最高は21.3日(25日付与)、一番低いのはなんと7.4日、5日間は有給取得必須と変わったので、上場企業の中でも最低レベルと言えそうです。
②当期純利益率
売上と当期純利益の関係を見ます。
これが高いほど、経営成績が良いと考えられ、結果として従業員の待遇改善の可能性も上がるはずです。
なんと14社も赤字となっており、やや意外な事実でした。(商品の市況も影響しているのかも)
黒字の会社で平均を取ると4.4%で、トップは国際石油開発帝石の12.4%。
上位の15社(3.9%以上)に2ポイント、続く15社(1.4%以上)に1ポイントを加えます。
③平均勤続年数
次が平均勤続年数です。
勤続年数が長いほど、従業員が辞めにくい働きやすい会社です。
日本の会社の平均は12年で、47社の平均は17.3年と働きやすい会社が多くなっていました。
トップは日本軽金属HDの26.5年というとんでもない数値、ただしHDの数値であるという点だけ注意です。
HD以外の最低はフルヤ金属の8.1年でした。
18.5年以上の上位15社に2ポイント、16.7年以上の15社に1ポイントを加算します。
④年収
最後に平均年収です。
47社の平均は738万円で、HDの会社(7社)が平均を上げています。
トップはENEOSHDの1,130万円で、最下位は東邦亜鉛の521万円でした。
上位は石油関係の会社が多く登場し、やはり業種による高低があることが分かります。
771万円以上の15社に2ポイント、677万円以上の15社に1ポイントを加えます。
総合ランキング
最大8ポイントでランキングを上位から発表します。
1位:8ポイント→1社
1位の会社が1社のみあり、非鉄大手の住友金属鉱山(売上8,700億円)でした。
素材メーカーで見れば知名度も高く、知っている方も多い会社でしょう。
なんと7ポイント獲得の会社はなく、ぶっちぎりの1位と言える結果です。
2位:6ポイント→6社
2位は6ポイントで、6社が該当しました。
- 住友電気工業
- AGC
- 太平洋セメント
- 石油資源開発
- 日本板硝子
- JFEHD
電線・ガラス・セメント・石油・鉄鋼など多種多様でした。
同率の場合は当期純利益額が大きい順にしています。
3位:5ポイント→11社
最後に5ポイントの会社11社です。
- 国際石油開発帝石
- 王子HD
- 古河電気工業
- DOWAHD
- 住友大阪セメント
- 日本軽金属HD
- 昭和電線HD
- 出光興産
- 富士石油
- 日本電気硝子
- ENEOSHD
こちらも色々な業種となっています。
売上だけなら、昭和電線HDが1,700億円と一番小さく、一方ENEOSは10兆円という巨大企業です。
この総合ランキングで紹介した18社は、年収で必ずポイントが加算されており、年収が高ければ有給取得日数、利益率、勤続年数に良い影響を与えるとも考えることが出来ます。
各種ランキング
最後に有給取得以外の3つの要素のトップ10だけ紹介します。(1~47位のランキングはYouTubeのコメント欄に貼ります。)
①当期純利益率トップ10
国際石油開発帝石:12.4%
東海カーボン:12.2%
フルヤ金属:11%
石油資源開発:8.4%
日本特殊陶業:7.9%
アサヒHD:7.2%
ニチアス:7%
住友金属鉱山:6.9%
日本ガイシ:6.1%
黒崎播磨:4.7%
②平均勤続年数トップ10
日本軽金属HD:26.5年
日本電気硝子:23.8年
日本板硝子:22.0年
昭和電線HD:21.6年
富士石油:21.6年
栗本鐵工所:21.0年
日本製紙:21.0年
ノリタケカンパニーリミテド:20.4年
JFEHD:20.4年
住友金属鉱山:19.7年
③平均年収トップ10
ENEOSHD:1,130万円
JFEHD:1,097万円
日本軽金属HD:1,037万円
コスモエネルギーHD:929万円
国際石油開発帝石:922万円
出光興産:911万円
石油資源開発:868万円
王子HD:834万円
住友金属鉱山:819万円
AGC:809万円
最後に今回のリストです。
今回の47社のリスト(当期純利益額が大きい順)
1. 国際石油開発帝石:1,236億円
2. 住友電気工業:727億円
3. 住友金属鉱山:606億円
4. 王子HD:581億円
5. AGC:444億円
6. 太平洋セメント:392億円
7. 日本特殊陶業:337億円
8. 東海カーボン:320億円
9. レンゴー:278億円
10. 日本ガイシ:271億円
11. 石油資源開発:268億円
12. 大王製紙:192億円
13. 古河電気工業:176億円
14. DOWAHD:174億円
15. ニチアス:147億円
16. 日本製紙:142億円
17. 大同特殊鋼:110億円
18. 住友大阪セメント:109億円
19. アサヒHD:98億円
20. 愛知製鋼:85億円
21. 日本軽金属HD:75億円
22. 合同製鐵:74億円
23. 黒崎播磨:64億円
24. セントラル硝子:64億円
25. 昭和電線HD:55億円
26. 日鉄鉱業:45億円
27. 淀川製鋼所:39億円
28. ノリタケカンパニーリミテド:34億円
29. 栗本鐵工所:28億円
30. フルヤ金属:25億円
31. UACJ:20億円
32. 三井金属:16億円
33. 日本コークス工業:0.3億円
34. 山陽特殊製鋼:-37億円
35. 東邦亜鉛:-184億円
36. 日本板硝子:-189億円
37. 出光興産:-229億円
38. コスモエネルギーHD:-282億円
39. 富士石油:-291億円
40. 日本電気硝子:-337億円
41. 日立金属:-376億円
42. フジクラ:-385億円
43. 神戸製鋼所:-680億円
44. 三菱マテリアル:-729億円
45. ENEOSHD:-1,879億円
46. JFEHD:-1,977億円
47. 日本製鉄:-4,315億円
まとめ
本日は、 就職四季報総合から素材メーカーほか47社をピックアップし、そこから働きやすいホワイト企業を絞り込みました。
まとめると
- 就職四季報からガラス・セメント・製紙・鉄鋼・非鉄・石油で上場会社を抽出
- 47社が該当し、そこから18社に絞り込んだ
- 基準は有給取得日数、当期純利益率、平均勤続年数、平均年収
- 14社が赤字で大企業も多く、市況に左右される部分も大きそう
- ホワイト企業も多い印象だったが、そうでない会社も当然ある
素材メーカーというと漠然としていますが、実際に調べてみるとそれほど多いわけではありませんでした。(四季報総合版に限定しているので)
就活中もこれくらい調べてからエントリーすれば、より効率的だったなとつくづく思います。
何を重視するかを考えて、その軸で比較すれば簡単に絞り込みが出来ます。
22年卒の方や転職される方の参考となれば幸いです。
動画版はこちら
ここまでお読みいただきありがとうございました。