現役経理マンが考える上場会社の経理と、上場会社の子会社の経理の違いとどちらがいいかという話です。
新卒で入った会社では上場会社の経理を経験し、その後転職をして上場会社の子会社の経理も経験しました。
そんな経理マンが、それぞれの違いとどちらがいいのかについて簡単に書きます。
当然ながら、上場会社というのを一括には出来ず、会社によって本当に様々だとは思います。
その点はご了承下さい。
記事の最後に、少し観点は違う動画版もあります。
結論:新卒で上場会社を目指して、転職では子会社をオススメ
上場会社(親会社)と子会社の関係
まずは、そもそも親会社と子会社の関係について簡単に。
例えば、トヨタ自動車の有報を確認すると、トヨタ自動車は608社もの子会社を有しています。
簡略化して言うと、子会社というのは、親会社が出資して支配権を持っている会社です。
つまり、この608社はトヨタ自動車が支配権を持っているということです。
トヨタ自動車が連結決算をする時、この600社超のデータをまとめ、発表することになります。
加えて、トヨタ自動車の子会社である日野自動車も上場しており、こういったケースを親子上場と呼びます。(親会社であるトヨタ、子会社である日野自動車)
こういったケースは特殊なので、今回は上場企業か非上場の上場企業の子会社という比較にします。
主な違い
上場企業とその子会社の主な違いは、下記になります。
- 事業規模:上場企業の方が大きい
- 業務の幅:子会社の方が広い
- 開示業務の有無:上場企業が担当
- 株主総会対応:上場企業が担当
- 給与水準:上場企業の方が高い
その他にもたくさんあるとは思いますが、とりあえずこの辺にしておきます。
親会社の方が、給与も高いことが多いですし、子会社よりも忙しいことが多いと思います。
開示業務や総会など、業務の入り口としては親会社の方が色々ありますが、実際のポジションとしては、〇〇担当というように、一部の業務に特化しているイメージがあります。(狭く深く)
一方の子会社の経理は、大抵人数も少ないので、広く浅くというイメージです。
私も、上場企業から別の上場企業の子会社に転職して、様々な業務を経験することができました。
言葉では知っていても、実際の業務をやったことがなかったので、非常に勉強になりました。
忙しさについては、私の経験で言うと、上場企業の子会社の方がマイルドかなぁと思います。
しかし、上場企業ですら、会社によってカラーはまちまちです。
これが上場企業の子会社となると、本当に色々なケースがありますので、転職などの際はしっかりと求人票を確認しましょう。
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また100%子会社かどうかというのは、気にしてもいいかもしれません。
100%ではなく、例えば50%超は上場会社、30%は別の会社、18%はさらに別の会社とかだと、それぞれの会社に対応しなければならず、面倒くさそうなイメージです。
そして、出向の有無も気になるポイントです。
上場企業の子会社で、例えば経理部長は親会社から出向しているというケースもありえます。
これが慣習なら、経理部長というポジションが空かないことを意味しています。
そしてどこの会社でも起こりえますが、出向vsプロパーという構図もあります。
ここの部分は、詳細まで確認できるのは、面接時くらいかとは思いますが、訊いておいて損はないのかなと。
まとめると、なるべく親会社からの出向が少ない方が、子会社として独立していて良いような気がします。
転職を考えると、上場会社から別の上場会社の子会社の方が楽です。
これは求められる能力の問題だと思っていて、上場企業の子会社の経理は広く浅くなので、どちらかと言うとジェネラリストなのです。
一方、上場会社の経理は、スペシャリストなので、ジェネラリストからスペシャリストには少しなりにくいかなと思います。
もちろん、個々のケースによるので、一概には言えませんが。
個人的なオススメのルートは、新卒時に上場会社の親会社に就職し、ある程度の経験を積んでその会社が嫌になったら、上場会社の子会社に転職するというルートです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。