IFRS基準って何?という方のために、経理マンがアバウトに解説します。
IFRS(国際会計基準)って聞いたことありますか?
IFRSとはInternational Financial Reporting Standardsの略語です。
本日はIFRSという言葉は聞いたことあるけど、中身は知らないという方のために、IFRSをざっくりと説明します。
なお、経理の方でIFRSを深く知りたいという欲求には答えられないと思いますので、あしからず。
①会計基準って何?
IFRSは会計基準の一つです。
日本の会社は、日本基準を採用している可能性が最も高いです。
トヨタは、米国基準というIFRSや日本基準とは別の会計基準を採用しています。
主な会計基準は3つあります。
- 日本基準…日本の会社が採用
- IFRS基準…ヨーロッパのスタンダード
- 米国基準…アメリカのスタンダード
上場している会社に限定すると、全ての上場企業が3,664社あります。
そのうちIFRSを適用・適用予定の会社は212社あります。
米国基準は13社のみ、日本基準はその残りの3,439社となります。
IFRS採用基準は全体の約6%ということで、レアな企業と言えるでしょう。
ただし、今後IFRSを採用する企業は増えていくと予想されています。
会計基準とは、BSやPLを作る際のルールも含んでいます。
従って、売上の計上基準も含まれます。
つまり、会社が採用する会計基準によって、同じ会社でもBS/PLが異なるということです。
例えるなら、会計基準はスポーツのルールのようなもので、企業がそのスポーツのプレイヤーと考えてみると分かりやすいです。
同じ自動車関連メーカーでも、トヨタは米国基準、デンソーはIFRS、サンデンホールディングスは日本基準とバラバラです。
スポーツで考えると、日本基準は野球で、IFRSはソフトボールみたいなものです。
同じ球技という点では、似ている部分もありますが、細かなルールは全然違います。
デンソーとサンデンホールディングスというプレイヤーを比較しようとしても、プレイしているスポーツが違うので、完全には比較ができません。
デンソーがソフトボール界では名選手でも、野球の名選手と比較はできないのです。
IFRSは世界的なスタンダードと言えるので、日本の企業と海外の企業の比較を考えると、IFRSを適用した方が、海外の投資家としては比較がしやすいと言えるでしょう。
②どういう違いがあるか
たくさんの論点で、日本基準とIFRSは異なっています。
従って、日本基準からIFRSへの移行はけっこう大変です。
主な違いとして、下記があります。
- IFRSには経常利益という概念がない
- IFRSではのれんは償却しない
- IFRSでは有給休暇引当金という概念がある
違いの細かな解説は省きますが、日本基準とIFRSの考え方の差によって、最終的なBS/PLが変わります。
IFRSマジックと呼ばれる、日本基準では費用だけど、IFRSでは費用ではないという項目もあります。
よってIFRSに移行して利益が増えました~ということもあります。
③日本基準は要らないのか?
最初に、今後IFRSを採用する企業は増えると書きました。
ではIFRSを採用すると、日本基準で、数字を作らなくて良いかというとそうではありません。
IFRSは適用している企業は、IFRS基準で開示(有報や短信)しますが、税金の計算は日本基準でやらないといけません。
なぜなら日本の会社が支払う税金(法人税)は、日本のルールで定められているからです。
日本の企業である限り、日本基準とは離れることはできないということです。
まとめ
以上が、IFRSについてのアバウトな説明になります。
全体の6%は少ないですが、今後どこまで増えていくか注目ですね。
日本も一時は強制適用という、上場会社はIFRSじゃなきゃダメですよ~となりそうだってのですが、結局、任意で変えたい会社は変更してねということになっています。
経理マンとしては、IFRS移行を経験している人は、転職でも評価されるのではと思います。
もちろん、IFRS移行したいですという提案を出せるという人は少ないでしょうが。
そういった希少性のある経験でもあるのが、IFRS移行です。
この記事を読んで頂いた方は、IFRSという言葉に対してちょっとだけ敏感になるかもしれません笑
ここまでお読みいただきありがとうございました。