ハイアス・アンド・カンパニーのドタバタ
本日は以前不正を紹介したハイアス・アンド・カンパニーが、またもや代表取締役社長交代のリリースを出しており、詳細について紹介します。
以前の記事はこちらです。
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今回はとある契約を勝手に社長が結んで、それがきっかけで退任という相変わらずよく分からない展開です。
以前の記事を読んで頂くと、より理解が深まるかと思います。
是非、最後までご覧下さい。
結論:情報公開の姿勢が非常に悪い
経緯
まずはハイアス・アンド・カンパニーについて少しだけ紹介します。
ハイアスは売上約80億円、2016年にマザーズに上場した会社です。
利益のピークは2019年で2.3億円の当期純利益で、直近の本決算では1,700万円です。
セグメントは2つで、コンサルティングと建築施工事業に分かれています。
ただし、建築施工は赤字であり、コンサルティング事業で成り立っている会社と言えます。
ハイアスは2020年4月にマザーズから東証一部に鞍替えしたのですが、これには不正が絡んでいました。
上場前から、売上の過大計上や費用の先送りをしていることが20年7月に発覚しました。
主に当時の社長が不正を進めたものの、監査役や他の取締役も止めることが出来なかったというものでした。
監査法人も匙を投げるほどの隠蔽を謀る不誠実な態度で、監査意見を出さないという結論になりました。
最終的に監査法人を交代し、限定付の監査意見を出してもらい、一旦は収束。
結果マザーズへの降格と、東証へ罰金として3,400万円を支払うことになりました。
そして調査委員会の報告を受け、社長が辞任していました。
20年9月30日に就任したのが川瀬氏です。
しかし、この川瀬氏が今回3ヶ月も経たずに退任となりました。
リリース
今回のリリースを見ていきましょう。
社長であった川瀬氏が10月1日付けで、社長の職務権限を超える支払約定書に署名をしたことがきっかけです。
その支払うべき債務は2.4億円。
しかし、弁護士によればその金額は3,000万円に留まるとの整理はあり得るというよく分からない説明です。
これが代表取締役としての忠実義務に違反しているので、社長を交代するようです。
新しく社長に就任する福島氏も、日本エル・シー・エーの出身となります。
ハイアスの取締役は日本エル・シー・エー出身の人物ばかりで、出身会社が全てではないのですが、気になる点です。
ただし、この異動によりこの福島氏だけが日本エル・シー・エー出身となる予定です。
リリースについて、一言で言うなら、情報を正確に開示しようという意識が低いです。
支払約定書がどういった性質のものかの説明がなく、全容が分かりません。
さらになぜ、弁護士の見解によって2.4億円が3,000万円になるのかも不明です。
そういった数値の根拠がないということなのでしょうが、ならばなぜそんな契約を交わすのか、分からないことばかりです。
勝手な想像だと、会社に損害を与え自身は得をする利益相反のようなものなのかもしれません。
もちろん、詳細が分かれば報告するとはありますが、一部は分かっているのに、意図的に情報を隠しているように見えます。
2.4億円というと、ハイアスの利益のピークが2.3億だったわけで、金額だけを見るとかなり大きなものです。
そもそも川瀬氏は退任予定だった
会社側のリリースを見てみると、元々12月23日の臨時総会で、川瀬氏は福島氏に社長交代の予定でした。
ただし、取締役を辞任し、執行役員になるという予定でした。
リリースには書かれていませんが、川瀬氏が執行役員になるのも取りやめる可能性が高そうです。
本来は12月23日に交代予定だったので、これだけを見るとそれほど影響はなさそうです。
しかし、リリースでの姿勢を見る限り、信用出来ない会社と見られてしまう出来事で会社のイメージ低下につながりそうです。
当期の業績予想も当期純利益では2.2億の赤字の予想となっており、経営体制を刷新して巻き返せるかという感じです。
まとめ
本日は、ハイアス・アンド・カンパニーの謎のリリースを紹介しました。
まとめると、
- 2016年マザーズに上場したハイアスは、20年7月に不正が発覚した
- 監査法人を交代し、社長も交代した
- その交代した社長が謎の契約をして、退任することになった
- 契約では2.4億払うことになっているが、弁護士によれば3,000万円で済むかも
- 会社側は情報を意図的に隠しているように見え、情報公開の姿勢は悪い
- ただし、元々社長は交代予定だった
- 当期も赤字予想で、これから巻き返せるか
一度でも不正が発覚すると、また何か起きるのではないか?と考えてしまうのが人間の性ではないでしょうか。
こういった不正を教訓にして、少なくとも上場会社は適切なガバナンスを整備すべきです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。