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【消費税】DMMから消費税間違えてたから、差額振り込みますという連絡が来た話

【消費税】DMMから消費税間違えてたから、差額振り込みますという連絡が来た話

【消費税】DMMから消費税間違えてたから、差額振り込みますという連絡が来た話

DMMの消費税誤りとその処理を経理マンが解説

先日、合同会社DMM.com経理部という宛先からメールが来ていました。

簡単に言うと、本来10%や8%で計算するはずの報酬が、5%で計算されていたので、差額を振り込みますというものでした。

今回は、このDMMの誤りとその処理について考えてみます。

動画を記事の最後につけています。

結論:消費税を旧税率で計算していたので、差額のお金を振り込んでくれる

DMMアフィリエイト 

私は以前、DMMアフィリエイトを利用していました。

ただし、稼いだ金額はかなり小さく、確定申告も不要のレベルです。(年20万以上稼ぐと申告が必要) 

そんなDMMアフィリエイトから報酬の計算が間違っていたと連絡があったのです。

正しいのは消費税10%や8%なのに、消費税5%で計算していたということです。

 

そもそも消費税10%になったのは2019年10月からで、8%には2014年の4月からです。

消費税が10%になってから約10ヶ月経って、この間違いが業務監査にて見つかったそうです。

この業務監査で見つかったかどうかは一旦置いておきます。

DMMは上場会社ではないので、内部監査等をする必要はないと思われます。(つまりDMMは自発的な監査をした)

上場会社なら、内部監査や会計士による監査があるので、もっと早く発見できたのかもしれません。

よくあるパターンとしては、国税局や税務署による税務監査によって間違いや不正が発見されるということがあります。

 

今回の処理が間違っていたことでどのような影響があったかを考えると、DMMがこのミスに気づいて、アフィリエイターに差額を振り込もうということを決めたかが分かりそうです。

 

消費税とPL

以前も書いていますが、消費税はPL(損益計算書)に影響しません。

つまり消費税の計算が間違っていたとしても、会社としての利益は変わらないということです。

DMMは非上場の会社ですが、wikipediaによると直近(2019/2月期)の売上は約2,200億円もあるようです。

マザーズに上場する比較的小規模な会社の売上は20億円だったりですので、この額がかなり大きいことが分かります。(将来、上場するのかは分かりませんが)

 

消費税の納付の仕組みは、受け取った消費税と支払った消費税の差額となります。

売上の入金時には売上+消費税を受け取ります。

一方、仕入れやその他経費(広告宣伝費や交際費などなど)の支払では、費用+消費税を支払います。

受け取った消費税は仮受消費税という科目でまとめられ、支払った消費税は仮払消費税という科目でまとめられます。

普通は利益が残るので、「売上>仕入れやその他費用」となります。

そうなれば、消費税の比較で言うと、仮受消費税>仮払消費税となります。

この差額を国に納めるという仕組みです。

仮受消費税が10億円で、仮払消費税が8億円なら、差し引きの2億円を国に納付するということになります。(少なくとも年に1回納付するイメージ)

 

ここからDMMのケースを勝手に想像してみます。(金額は適当です)

DMMの仮受消費税を200億として、仮払消費税を180億円としましょう。

ただしこの仮払消費税は、アフィリエイターに支払うべき消費税が少ないので、本当はもっと多かったということになります。(少ない税率で計算していたため)

この間違った差し引きの20億円を、DMMは国に納めることとなります。

同時に、アフィリエイターへの支払う消費税込みの金額が誤っていたことになります。

つまり、国に納めすぎて、アフィリエイターに不足があったということです。

 

この間違いに気づいてしまったので、今回アフィリエイターに差額分を振り込むこととなったのです。

この差額分は、2014年から6年近く間違っていたことになります。

正直どれくらいの金額か検討も付きませんが、仮に1億円をアフィリエイターに振り込むとすると、DMMは大打撃なのでしょうか。

 

答えはNoです。

なぜなら、アフィリエイターに払うのと同額が、国に納めすぎた1億円となるからです。

恐らく、DMMは国に対して消費税納めすぎたので返してという還付申請をする(した)と思われます。

国に間違って払った分を、アフィリエイターに払うだけなので、DMMとしてはPLに影響はないのです。(当然ながら、銀行口座に振り込む支払手数料はDMM負担なので、少しはお金がかかる)

 

最初は私もDMM優しいじゃんと思ったのですが、よくよく考えると国に間違って払っていたものを、あるべきところ(アフィリエイター)に払うというだけです。

監査の担当者もこの事実(ずっと消費税5%で計算していたこと)に気づいた時は、冷や汗ものだったのではないでしょうか。

自分だったら、見つけたくはないですね。

 

本日は、DMMの消費税間違いはどんなミスだったのかを勝手に想像してみました。

参考となれば幸いです。

消費税減税はどうなるのか?も気になる経理マンでした。(DMMからの振り込みは夏目さん何枚かくらいでした)

 


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ここまでお読みいただきありがとうございました。