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【予算】会社の予算って何のために作るのかと、その注意点

予算って何のために作るのかと、その注意点

【予算】予算って何のために作るのかと、その注意点

経理マンが会社の予算について語ります。

会社であれば、PLの予算(計画)を作ることが多いでしょう。

どうやって会社の予算って作るんだろうと思っていました。

経理マンになって、作り方を学んで、なるほどな~と感じました。

本日は、PL予算について経理側と営業側、それぞれの立場に立って解説します。

今回はPLについてなので、KPIの計画については考慮していません。

結論:営業としては保守的に作りたいということは理解すべし

計画or予算

予算(計画)とは、その期の目標数値です。

ほとんどの会社でPL予算は作っていると思いますが、上場企業では業績(PL)の予測を開示する必要があるため、より精度を求められます。(業績が読めないという理由で開示しない例外もあります)

そして、上場企業の場合、その予想と乖離した場合、上方修正や下方修正をリリースする必要があるため、見込み数値の管理も求められます。

目標は甘め(簡単に達成できる)に作って、実績はそれ以上で上方修正ばかりすればいいのでは?という意見もあるかもしれませんが、そんな企業には投資したくないと思われます。

逆にかなり強気に作って、下方修正ばかりしている企業も計画数値が信用できません。

従って、丁度いいバランスが大事になってくるわけです。

頑張らないと達成できないくらいの目標がベストでしょう。

 

そもそもなぜ計画を作るかというと、予実管理をして、改善していくということがメインの目的でしょう。

当期の実績との比較としては、予算と実績と前年と実績の2つが主です。

前年の実績もありますが、前年よりは成長して当たり前という会社が多いでしょう。

会社の所属する産業の衰退というのも大事ですので、成長産業なら前年比120%成長を目指すが、衰退産業なら前年比マイナスも仕方ないという考え方もできるでしょう。

 

そして前年実績には特殊要因というのが含まれている可能性が高いです。

例えば、前年には台風が来て生産量が少なかったとか、固定資産を売却して利益が出ていたなどなど、特殊要因があると比較がしにくくなります。

その点、予算ならば、発生すると見込まれるものだけを入れればいいのです。

 

どのように作るか?

計画の作り方は、精度を求めなければ簡単です。

大きくトップダウンで作る方法と、ボトムアップで作る2つに分けることができます。

トップダウンとは社長が数字だけバシッと決めることです。

例えば前年の売上が1億で、営業利益1,500万だとして、社長は売上は1.2億、営業利益は1,900万を目標にすると決めることです。

その目標を基に、数値を月別に展開するなどがあります。

 

ボトムアップは積み上げ方式です。

売上、費用などをそれぞれの部門が見積もって合算したものを計画とするわけです。

どちらが優れているということはありませんが、次のことは覚えておくべきだと思います。

 

それは営業部門は保守的に計画を作りたがるということです。

その理由としては、評価が関係しています。

評価というのは計画に対して、どれだけの実績を上げたかを持って行われることが多いです。

つまり計画を厳しいものにしてしまうと、達成できない可能性が高くなり、その分だけ評価も低くなってしまうのです。

加えて、数値を甘めに作っておいて上振れするのと、厳しめに作って下振れするのでは、上振れの方が望ましいと思われるからです。

経理的には、どちらでも計画との乖離に過ぎないので、共にある種の失敗です。

 

以上の理由からボトムアップで作る場合は、営業が出してきた売上を吟味する必要があると言えます。(ボトムアップなら甘めに作られる可能性がある)

逆にトップダウンなら、その数値が本当に達成できるのかは議論する必要があるでしょう。(トップダウンは強気で作りがち)

 

見込みの注意点

派生して、見込みを作る時にも注意点があります。

それは織り込み済というワードです。

計画を作る時には考えていなかったが、実際には発生する可能性があるという事象があります。

例えば、天候不順が続いて需要が弱まっているとか、米中対立によって仕入れの値段が上がるとかです。

そういった見込み時点での、要因を織り込んでいるかどうかということです。

見込みを年1回しか作らないということはないと思うので、何回も見込みを作る場合には、前回の見込みでこの分は織り込んだということを整理する必要があります。

前回の見込みでは30万円で織り込んでいたけど。今回の見込みでは40万円になりそうということもあり得ます。

 

いづれにしても、計画通りには行く可能性は低いので、あくまでも計画は計画というぐらいの心持ちでいいのではと思っています。

しかし、予想の能力というのはあると思うので、どんなことが来期にはあるだろうかと考える事自体は大切だと思います。

変化が多い時代なので、どんどんと計画を立てる難易度は上がっているのかなと思う経理マンでした。


不況を勝ち抜く予算管理ガイドブック

 

※少し似た論点として、こちらの記事も作成しました。

www.finance-accounting-value.com

ここまでお読みいただきありがとうございました。