謎の存在、監査役について考えてみます。
上場会社には監査役という役割の方がいます。(上場会社でなくてもいる場合もあります。)
新卒で入った会社は上場会社で、監査役が何名かいました。
監査役には、常勤監査役と非常勤監査役という2種類の監査役があります。
今回はそんな監査役について考えてみようと思います。
結論:もしかすると監査役はけっこう暇なのかもしれない
監査役とは
監査役とは簡単に言うと、監査をする役割の人のことです。
これだけではなんのこっちゃという感じですが、まずはWikipediaをご覧下さい。
一般的に、上場会社は3つの監査が働くとされています。
1つ目は、監査法人による外部の監査です。
これは監査法人という第三者と契約して、監査してもらうものです。
2つ目は、内部監査室による内部の監査です。
これについては、記事も書いているので、どうぞ。
www.finance-accounting-value.com
3つ目が今回紹介する監査役による監査です。
2つ目の内部監査室というのは、内部の人間、つまり従業員が担当します。
しかし監査役は取締役と同じで、会社の従業員ではありません。
この点が監査役の特徴と言えるでしょう。
だから監査役は独立した立場で監査ができると言えるでしょう。
とは言え、監査役も報酬は会社から貰うので、致命的な不正を監査役が完全に防げるとは個人的には思いません。
常勤と非常勤
そして、監査役には常勤監査役と非常勤監査役があります。(補足として社内監査役と社外監査役という区分もありますが、今回は割愛)
これは読んで字の如く、いつもいるか、たまにしかいないかの違いです。
最近、常勤監査役の定義って何だろうと不思議に思って、検索すると下記のページが見つかりました。
要約すると、常勤監査役の常勤性についての定義はないようです。
一応、週に3日以上というのが目安として書かれています。
非常勤監査役は、非常勤なので、監査役会や取締役会の時だけ会社に来ればOKだと考えています。(厳密には取締役会も必ず出席しなければならないとは限りませんが、事業報告書には取締役会の出席率が記載されています。)
私のいた会社では、監査役は監査役室という部屋があって、そこに出勤されていたようでした。
階が違っていたこともあり、常勤監査役が毎日出社していたかは不明です。
ただし残業などはしていなかったと思います。
監査役の仕事
結局、監査役って何をするかと言うととりあえず監査なのですが、当然ながら毎日監査するわけではありません。
例えば、棚卸の時に同席するとか、監査役会や取締役会などへの出席が仕事としてあります。
それ以外の時、恐らく監査役は暇です。
基本的に監査役が忙しい会社というのは、不正が発覚したケースぐらいではないでしょうか。
さらに監査役というのは基本的に高齢です。
これはマザーズのデータのようですが、監査役の年齢の中央値は2019年で、65歳です。
マザーズは比較的、社長も若い会社ですが、このマザーズですらこの数値なので、一部上場企業ならもっと高い可能性もあります。
そんな高齢の人が就任するのが監査役なので、バリバリと働くようなポジションではないとも言えるでしょう。
しかし、最も若い例だと、30歳ちょっとで常勤監査役に就任している例もあり、これは面白いと感じました。
監査役になるには?
常勤監査役というのは、ある意味でなるのが非常に難しいポジションと言えるでしょう。
社内からの登用となると、役員となってある程度高齢になった人が、前任の監査役が退任するので、代わりにというパターンが多いのでないでしょうか。
自ら、狙ってというのは難しそうです。
中小企業でよくあるのは社長の妻が、形式上だけ監査役になって、特になにもしないというパターンです。
上場しない中小企業ならこれでもOKでしょう。
自分が監査役になっている間に大きな不正が発覚すると、その不正を見つけられなかった責任の一旦があるとも言えるので、当然ながらリスクがあります。
一度問題が起きてしまえば、監査役にも責任があるので、高齢の場合は再就職が必要ないでしょうが、監査役が若い場合は再就職にも影響が出てしまうでしょう。
ただし、報酬(≒給料)は会社から出るので、公平性という観点では微妙な気もしますが、代替案は難しいようにも思います。
非常勤監査役になりたい経理マンでした。
監査役とは何かという動画
ここまでお読みいただきありがとうございました。