経理歴7年の経理マンが、経理の業務が忙しい時期を解説します。
経理は忙しい時期とそうでない時期が、はっきりしている部署です。
もちろん、会社の規模や経理の中で何をやるかということによって、変わる部分はあります。
これから経理部で働くという方に向けて、いつが忙しい傾向にあるのかを解説していきます。
社会人は健康が第一です。
いつが一番忙しいかのピークが知らないまま、業務に取り組んでも、大事なところで100%の力が発揮できない可能性があります。
要は緩急が大事で、抑えるべきポイントを理解しておきましょう。
以下に、月の上旬・中旬・下旬と分解して記載していきます。
①月の上旬→決算の締め
決算には大きく分けて3種類があります。
1つ目は月次決算、会社の規模が小さければやっていない会社もあります。
その月の売上や利益などを確定させる作業を言います。
通常は、締めが5営業日ということが会社内で決まっていて、その締め作業が経理の忙しいところになります。
営業日とは会社が動いている日のことで、GWが10連休だった会社はたいてい、5月の第5営業日は5/13(月)になるはずです。
2つ目は四半期決算、これはクォーター決算とも呼ばれ、年に4回あります。
上場していないまたは上場会社の子会社でもなければ、四半期決算をしない会社もあります。
例えば、3月決算の会社であれば、以下のように考えます。
- 6月が第1四半期で4~6月(3ヶ月分)の成績を7月にまとめる
- 9月が第2四半期で4~9月(6ヶ月分)の成績を10月にまとめる
- 12月が第3四半期で4~12月(9ヶ月分)の成績を1月にまとめる
- 3月が第4四半期で4~3月(12ヶ月分)の成績を4月にまとめる
3つ目は本決算で年間の決算で、上記の4~3月(12ヶ月分)の成績を4月にまとめる作業のことを言います。
四半期決算では簡便的に処理しているものも、年に1回の本決算では厳密にやる必要があるので、4半期決算よりも忙しいです。
以上をまとめると月の上旬は、締め処理で経理は忙しいということです。
四半期決算をやっている企業だと決算月が忙しいです。
3月決算の会社で四半期決算をしているなら7月、10月、1月、4月が忙しく、4月は本決算なのでより忙しいということになります。
②月の中旬→決算分析・会議など
締め処理が完了すれば、その数値の分析が求められます。
前年比・計画比などでその実績がどのように動いたかを分析し、会議資料等を作成します。
月次決算であれば簡略的な分析で、四半期・本決算では詳細な分析というパターンも考えられます。
したがって月の中旬も、上旬同様に決算月が忙しいということになります。
③月の下旬→次月の準備など
そして月の下旬には、その次の決算のための準備を進めておく必要があります。
中旬に会議が終わっていれば、比較的忙しくないことが多いです。
まとめ
以上が、月で見た場合の忙しい時期となります。
基本的には、まず月次の決算を締めるという作業が忙しいです。
中旬以降の分析等は確定した数値を追っていく作業なので、時間さえあれば終わります。
しかし、月次の締めは予想外のトラブルも発生することもあるので、これが解決しないと締めが終わらないこともあり得ます。
以上の忙しさは、大体の経理に当てはまることと思われる部分です。
以下では、それぞれの仕事ごとの忙しさを記載していきます。
入出金
会社の売上と支払にも締めがあります。
例えば、売上は月末締めの翌月末入金である会社を想像してみます。
ということは、月末に入金が集中するので、その分処理が必要です。
支払もタイミングがあるので、その支払処理をする日やその前日は処理が集中するので、忙しいです。
連結
連結対象となる子会社がたくさんあると、親会社の経理は連結決算をするための作業が多くなります。
そして子会社の経理が数字をまとめた後でないと作業ができないので、「親会社の経理マン」の忙しさのピークは、「子会社の経理マン」より遅くなることになります。
上場会社の連結決算のゴールは、決算短信と四半期報告書(有報)となります。
決算短信や有報の開示スケジュールは、会社によって異なります。
決算開示が遅れたり、間違っていたとなると、会社にとって重大なことなので、そのプレッシャーは大きいです。
かつて私も連結決算に関わっていたことがありましたが、決算が無事に開示されると本当にほっとしました。
それが3ヶ月に1回はあるので、上場会社の経理は成長できるための業務が多いです。
一方でそのプレッシャーや業務量の多さは、しんどい部分も当然あります。
もしも、就活をもう一回やり直すとしたら、新卒では上場会社をまず目指すと思います。
学生の方で、経理を志望される方がいれば、成長という意味では上場会社という選択もあるかもしれません。
そして経理の業務のまとめとしては、ゴールを意識するということです。
決算のゴールが決算短信の開示なら、そこがゴール。
支払のゴールが銀行の処理を終えた時なら、そこがゴール。
ゴールを意識して日々の業務にあたると、どこで力を抜いて、どこで力を入れればいいかというのが、自然と頭に入ってきます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。